ホワイト・アルバム50周年記念盤、「イーシャー・デモ」と「セッションズ1~3」を聴いてみた。【3/4】
◇CD 5: セッションズ
ホワイト・アルバム50周年記念盤・試聴。今回は「セッションズ」の2枚目に突入です。
さて、どんな音源が飛び出すのか?!
1. セクシー・セディ(テイク3)
アコースティック・ギター中心の録音です。
ドラムはほとんどスネアの音などから感じるのは生音です。ミュートがよく効いたタムの音が聞こえます。
ジョンのボーカルは、けっこう“ダル”な感じ。
少し、つまびくようなエレクトリック・ギターの音も聞けます。このフレーズは初めて聞くものでした。
2. ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス(アコースティック・ヴァージョン テイク2)
ホワイル・マイ・ギター・・はアコースティック・ギターのバージョンはよく聞きましたが、ジョージのしゃべりも曲の途中で聞けたりします。
で、ボーカルの音はほとんど生音です。
うしろで、オルガンの音も聞こえます。教会っぽいような厳かな雰囲気を醸し出しています。
アコースティック・ギターの音もほとんど加工されていない音でした。
3. ヘイ・ジュード(テイク1)
入りの「ヘイ」の声の出し方を何通りか試しつつポールの歌が始まりました。
ドラムのリズムを刻んでいるシンバルの音はオリジナル・バージョンのあの音で聞こえてきます。
途中から別のリズムパターンの叩き方も試しています。
ピアノのプレイもほぼ決まってきた状態のようです。
曲の構成も、固まってきたようで、一通り歌った後に、あのリフレインが延々と続くパターンもやっています。
ポールのシャウトも入って、だいたいの手応えも掴んでいる感じ。
リフレイン時の色々なパターンのポールのアドリブ展開もけっこう試しまくりです。ちょっと“いただけない”感じのアドリブもありますね(^_^;)まあ、練っている段階なので、こういうふうに録音されたのでしょう。
ファンとしては興味深いものです。
4. セントルイス・ブルース(スタジオ・ジャム)
初めて聞く録音です。この曲自体もこのセッションで演奏されたことさえも知りませんでした。
スタジオ内での肩慣らしみたいなものでしょうか。
5. ノット・ギルティ(テイク102)
これは今までにもよく聞いてきたパターンで演奏されています。
ジョージのボーカルにもエコーが掛かっているし、エレクトリック・ギターにもエフェクトが効き、しっかりした演奏をしているので、割と発表しようとして本気モードで演奏、録音されたものだと思います。
全ての楽器がきちんと整理され録音されています。ジョージはちょっとこの曲に自信があったのでしょうね。力が入っています。
6. マザー・ネイチャーズ・サン(テイク15)
ギターの弾き方も、歌い方も、ほぼ決定していて、本番の録音も間近という段階のようです。
まだドラムが入っていないので、このまま聞いていると、オリジナル・バージョンを既に知っているので、何かやはり“物足りない”感じがします。
ミキシング・ルームのジョージ・マーティンとスタジオ内のポールのやり取りも聞こえてきます。
7. ヤー・ブルース(テイク5・ウィズ・ガイド・ヴォーカル)
エレクトリック・ギターの演奏も、ベースも、ドラムのリズムパターンも決定版に近い。
ジョンのガイド・ボーカルが遠くで聞こえていますが、それが余計にこのバージョンのワイルドさを増しているようです。
この曲、楽器の演奏だけだと、ほんとうに荒っぽくてカッコイイ!!
間奏のグギャグギャのギターの隣で聞こえてくるギターのフレーズもちょっといい!
高音のリードギターの音はまだオリジナルバージョンほど過激なものにはなっていません。
まだ、もうひとつを模索中な感じ。
8. ホワッツ・ザ・ニュー・メリー・ジェーン(テイク1)
音はクリアに録られていて、ジョンも真面目に歌っていますので、これもアルバムに本気で入れようとしていたのかもしれないですね。結局“没”になってしまったわけですが・・。
途中でジョンが笑い出しています。そして中断・・。
9. ロッキー・ラックーン(テイク8)
ポールの完全な“語り”から入り、途中からメロディーをつけて歌い出しています。
この曲は、語りでも歌っても、ストーリー性がよく出てきます。あらためてこのバージョンを聞いてそう思いました。
リンゴのドラム・パターンは固まりつつあります。リンゴには得意な曲調かもしれません。
ポールのアドリブが入った歌唱にも、軽々とリンゴはついていきます。さすが!!
10. バック・イン・ザ・U.S.S.R.(テイク5 インストゥルメンタル・バッキング・トラック)
スタジオ内の音が聞こえてから演奏開始。
ベースのドゥビドゥビいう音は、もうこの段階からやっている。
おそらくジョンであろうかっこいいリズムギターのパターンも登場している。
間奏のリードギターも既にオリジナルバージョンに近い。
バッキング・トラックだが、けっこういい感じで“ノって”いるd(^_^o)
もう少しテンポアップすれば、オリジナルバージョンそのものだ!
11. ディア・プルーデンス(ヴォーカル、ギター&ドラムス)
この録音はギターの音がすでにオリジナルバージョンと同じものになっている。
ドラムとベースが弾むように刻むリズムは、まだ登場していない。
ハイハットのギクシャクしたような16ビートの部分はこのバージョンで登場している。
エンディングのギターの速いカッティングはちょっといいぞ!
12. レット・イット・ビー(アンナンバード・リハーサル)
後に発表されたこの曲の面影はほとんど無い。
でも、このあたりで既にレット・イット・ビーはポールによってメンバーに知らしめられていたのだと思い、少し驚きがあった。
13. ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス(サード・ヴァージョン テイク27)
アコースティック・ギターとピアノとドラム、それにエレクトリック・ギターも入ってくるが、これは明らかにクラプトンの弾き方だ。
クラプトンのギターは後からオーバー・ダビングしたなんて言ってた人がいるけど、これを聞くとそんなことは無かったとわかる。クラプトンのギターは、あのオリジナルバージョンの音のつくり方とは異なる。後に加工されてあんなふうになったのだな、と感慨深かった。
クラプトンのギターはこのセッションバージョンでも魅力的!
14. ベイビー・アイ・ドント・ケア(スタジオ・ジャム)
ポールの好きな感じのロックンロール。ソロになってからもよくこんな感じの録音を残している。短い録音だがちょっと面白い。
15. ヘルター・スケルター(セカンド・ヴァージョン テイク17)
ポールのボーカルにはエコーが掛かり過ぎなくらい掛かっている。
ベースのズベン・ズベンいう感じはオリジナルと同じくらい過激。
リズムギターのぶっ壊れたラジオみたいな音もオリジナルさながらの凄さ。
曲のテンポもかなりアップされ、しかもこんな過激な曲なのに、キャッチーな感じがなんとも言えず素晴らしい。
ビートルズは見事にこの曲を料理している。
16. グラス・オニオン(テイク10)
基本的な構成は決まった段階の録音です。
ジョンも歌詞をはっきりと歌っていて、やる気が出ています。
弦楽の音はまだ入っていませんが、この曲の方向性がはっきりしてきて、まだまだ様々な要素を加えることが可能だな、とジョンは感じていたかもしれません。
« 新年早々、ホキ美術館の「人・ひと・人」展に行ってきた | トップページ | ホワイト・アルバム50周年記念盤、「イーシャー・デモ」と「セッションズ1~3」を聴いてみた。【4/4】 »
「The Beatles」カテゴリの記事
- 聞いてみた The Beatles/1962-1966 赤盤 Disc1(2023 Version)(2023.11.28)
- ビートルズ日本武道館公演 7月1日の映像を見ました。(2023.07.27)
- 昭和53年に日本テレビで放映された「ビートルズ日本武道館公演」の番組を見てみた。(2023.07.25)
- 休養中にビートルズの妄想をしました。(2023.03.23)
- 『The Beatles REVOLVER SUPER EDITION を聞く・第五回 REVOLVER EP を聞いてみた』(2023.02.09)
« 新年早々、ホキ美術館の「人・ひと・人」展に行ってきた | トップページ | ホワイト・アルバム50周年記念盤、「イーシャー・デモ」と「セッションズ1~3」を聴いてみた。【4/4】 »
コメント