コーヒーと楽しむ 心が「ホッと」温まる50の物語を読みました
『コーヒーと楽しむ 心が「ホッと」温まる50の物語/西沢泰生著(PHP文庫)』を読みました。
カフェオレ、ブレンド、ブラックコーヒー、エスプレッソなどの項目があって、それぞれに心が和らぐ話、ホッとする話、ほろ苦い話、深い話など、著者がさまざまなシチュエーションやメディアなどから得たエピソードが語られている本でした。
「エスプレッソ」の項目で私がちょっと気になったエピソードをひとつご紹介します。
元CAで、現在は接客に関する企業研修ゃ人材育成を行う会社の役員をされている方から聞いたお話だそうです。
その方があるステーキハウスで食事をしているときに、突然アイデアを思いつき、あいにく筆記用具を持っていなくて、お店の若いスタッフに「ペンをお借りできますか?」と声をかけると・・・。
「貸し出す感じになります」・・と、答えたそうです・・ (・_・;
ようするに、今までにもお客さんに筆記用具などを貸すと、そのまま持って帰られてしまうので、「貸し出す感じ」・・になるんだと、いうわけです(^_^;)
おまけにね、会計のさいに店長から「お客さま、ボールペンは?」と聞かれたそうで、ちゃんと返却したことをその若い店員は店長に伝えてもいなかったわけです。
著者は、「お済みになりましたら、ペンはテーブルの上に置いておいていただければ結構です」・・これでいいじゃないですか、と言っています。
そのとおり!わざわざお客さんを疑うような言葉づかいでお客の気を損ねることはないんだよね。
スタッフにペンを戻しにいく手間もかからない。
「ペンを貸してください」こんなちょっとしたシーンでも、お店の機転ひとつで、お客さんも自分達も双方がハッピーになる・・と、著者。
こういうエピソードがいっぱい詰め込まれているこの本。
「カフェオレ」や「ブレンド」の項目では、もっともっと、心温まる話が語られています。
タイトルどおり、コーヒーと楽しみながら読める本でした。
でも、けっして緩すぎない読み応えも感じるものでしたよ。
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