【はっPのアナログ探訪_0154: SHAVED FISH / John Lennon ( LP )】
当時は珍しかったジョン・レノンのベスト盤で、ビートルズ末期から解散後に発表した1969年~1974年までのソロ・シングルA面の曲を集めたものでした。
タイトルは「シェイブド・フィッシュ」で、ジャケットのイラストを見ればわかるとおり、鰹節(削り節)の意ですが、日本を意識してのものであったのか、それとも削り節が単に珍しかったのか、ちょっと不思議なタイトルです。
アルバムA面を聞いていると、その頃のジョンの音楽は基本的にシンプルでパワフルですね。
もともとジョンが求めていたロックはこういう骨太で、リズムが“がっしり”したものだったのだと、あらためて感じました。
5曲目の「マザー」は、まさにシンプルの極致。
ドラムとベースが演奏のほとんどを占め、バーンと弾かれるピアノが唯一この楽曲の装飾的な音だったりします。
初めてこの曲を聞いたときの感覚を思い出しました。
知り合いで、ビートルズ好きな人がふともらした言葉を思い出します。
「ジョンの曲、好きなんだけど、日常に流しているのはちょっとつらいんだよね」という、私も思わず「それは言える」と返したことがありました。
BGM的にジョンの曲を流すって、ファンとしては難しいんですよね。
他のビートル三人の曲なら大丈夫そうなんだけど・・(^^;)
なんてことを思い出していたら、「女は世界の奴隷か」が始まりました( ̄O ̄;)
これをBGMにして流しておくってのはやはり無理だ…σ(^_^;)
B面に入ると、「イマジン」から始まり、ちょっとやわらかい気分にもなりますが、やはり演奏はシンプルで、詩の内容は、強いメッセージ性があり、“聞き流す”ような曲では、やはりないです。
でも、いつ聞いても“どこにもない”いい曲です。
アルバム「心の壁、愛の橋」からの曲については、ちょっと“ハイ”になっているようなジョンがいて、正直言うとこのアルバムのファンはとても多いと思うけど、私にはその“ハイ”の裏側にあるジョンの心って、どんなものだったんだろうと考えてしまい、あまり楽しめないんです。
これは、あの頃から今に至るまでそんな気持ちになってしまいます。当時、このアルバムでジョンから離れていってしまったのでした。
その5年後にあの悲劇・・。またジョンのもとに戻ってくるときはつらかった・・。
アルバムをとおしてジョン・レノンを聞いていると、楽曲に没入するというよりも、ジョンという個人、人に惹かれて行く自分を感じました。
ジョンの強烈な個性、人格、音楽に対峙する姿勢などが思い返されて、最終的には“ジョンという人に酔う”ような感覚になりました。
最近 iPhone に入れてクルマで聞く曲にジョンのアルバムを何枚も追加したのですが、他のビートル三人とシャッフルして聞いてみて、とてもいい感じになっています。
ジョンもいいっ!ポールもいいっ!ジョージもいいっ!リンゴも最高っ!って結論です。
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