「なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?」を読んだ。
病気療養中の私です…σ(^_^;)
家でくさっていても仕方ないので、ブログ再開いたします。
その方が元気が出そう!d(^_^o)
んじゃ、いつもどおり始めます。
『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?/中島恵著(中古新書ラクレ)』を読みました。これまたブックオフで108円ですd(^_^o)
タイトルからいきなり興味深いのですが、でもこれは読者を引きつけるための“フック”なのだと思いました。
著者の書きたいことはもっともっと奥深く、現実的で、そして中国人も日本人も互いに考えの及ばないこと。
せっかくだからタイトルにある日本のトイレに魅力を感じる中国の方についても少し・・。
どうやら中国では最高のホテルなどでないと、満足に排水できなかったり、様々なトイレのトラブルがあるのも事実なようで、よほどの高級ホテルにでも泊まらないと、トイレで快適な思いは出来ないようです。
で、家庭のトイレ状況もあまり良くないみたい。
それに比べれば、日本のトイレのホテルから家庭に至るまでの“至れり尽くせり”なトイレはやはり魅力的でしょう。
トイレを買って帰る中国の方も多いやに聞きます。
と、前振りしておいて。
著者が一番言いたかった事って、中国は現在の政治的体制、経済体制の上に様々な公共のシステムが成り立っているわけですが、それは一般民衆のために利便を尽くして考えられたものではなくて、だからそのシステムに乗っかったままでいると自分にとって不便が生じるから“我先に”みたいな行動に出たり、あるいは現状のシステムによる不具合を諦めてしまったりしているだけで、現在の日本にやって来れば、そのシステムに乗って、日本人と変わらぬ行動をすることがほとんどだということ。
逆に、日本人が中国で上記のようなシステムを不便だと感じたり、憤りを感じたりするのは、そして中国人とはそんな気質の民族なのだと感じてしまうことも、あくまでシステム上の問題が起因しているので、日本人も中国人も実際に現地での経験が無い人が殆どなので、互いに理解が及ばない部分が多いのではないか、ということ。
また、中国の複雑な戸籍取得についても書かれていましたが、それによってどうしても夫婦共にがんがん働かないと生活自体が、家族が成り立たないような事情があること、また子育ては多くが祖父母が行っている理由、さらに祖父母までを含めた中国の家族関係についても詳しく書かれていて、初めて知ることばかりでした。
その内容については、ここでは割愛しますが、この本は実にわかりやすく書かれていました。
さらに、日本で現在、日本の良さや、職人の仕事の良さなどを紹介する番組が目立つようになりましたが、それは逆に言うと、誇れるものがどんどん無くなっていく日本の自信喪失について元気づけるようなものではないか、と著者は書いています。
日本人の優しさや、思いやりみたいなものも稀薄になっているからこその“おもてなし”クローズアップなのではないか、などとも考えられます。
つまり日本人自体も良いものを失いつつあり、衰退しているのではないか、と。
私個人の考えとしては、「経済右肩上がり」みたいなことばかり言っていないで、もっとコンパクトで、日本人らしい本来の良さを大切にした国、経済、国民になっていくのが、未来への道なんじゃないかと・・思うのです。
と、こんなことをなどを考えさせてくれる本でした。
面白い本でした。
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