「アンソロジー カレーライス!!大盛り」を読んだ。
『アンソロジー カレーライス!!大盛り/杉田淳子・編(ちくま文庫)』という本を読みました。
阿川佐和子・池波正太郎・伊集院静・五木寛之・井上靖・小津安二郎・滝田ゆう・檀一雄・ねじめ正一・中島らも・・まだまだたくさんの著名人の方々がそれぞれに「カレー」について様々な文章を書いていて、それらを集めたものです。
カレーという話題だけで、これだけの人達がもうこれでもかってくらいにガンガンに書きまくっておりまして、実に面白かった(*^_^*)
そのうちの誰かを取り上げてもどうかと思いましたので、じゃあ自分にとってのカレーのことを書いて感想文にかえさせていただこうという結論に達しました。
では、私にとってのカレーについて。
小さい頃は、いわゆる家庭のカレーの思い出があります。この本でもこれについて書いている人が多かった。具を炒めたりしたあとに煮込んで、「SB」って書いてあった小さな缶に入っているカレー粉を投入。メリケン粉で延ばしたりして、初期の家庭のカレーはこれが多かった。
味が“やや薄”なので、ソースをかけたり、家によっては醤油をかけて食べるという現象が多々見られました。我が家ではソースをかけていた。これがアクセントとなって、意外やうまいのだ。
その次には、グリコ・ワンタッチカレーなどというものが登場して、“板チョコ”みたいになっているカレー・ルウを鍋に投入するという時代の幕開けでありました。
このとき、格段に家庭のカレーが美味くなったという記憶があります。
さらにハウス・バーモント・カレー(秀樹感激っ!のあれです)が、登場し、「りんごと蜂蜜」という子供にもOKなカレーが登場、対極には「ジャワ・カレー」などとうたった、やや大人向けなカレー・ルウも登場し、子供も大人も家庭のカレー環境は充実(^^;)
そして衝撃の「ボン・カレー」、レトルト・カレーの登場は、ラーメンでいうと、「カップ・ヌードル」くらいのインパクトある『大激震』がありました。松山容子さんの写真をあしらったパッケージは永久に不滅です!(^_^;)
あらたなカレーの時代が到来した感がありました。
そんなカレー風雲時代に私は中学のクラス全員で海辺の民宿に泊まるという先生が企画した夏休みのイベントに参加しました。
そこでの夕食はカレーでした。で、クラスメートの須藤君が「水を入れたコップの中にスプーンを入れて食卓に出すのは常識だ」と食前に言い出し、私は「それはなんだか汚い感じがする」と思ったことを思い出しました。私と同意見のクラスメートが何人もいたが、たぶん須藤君の父親が昼食などで大衆食堂に入ったときにそんな出され方をしていて、それを家庭でもやっていたのではないか、と推察いたしました。
あとで知りましたが、当時はそうしてカレーと共に水を提供するお店はたしかにたくさんあったようです。
そして時を経て、私が社会人となり、当時よく土日に遊び回っていた彼女が「おいしいカレーを食べよう」と連れて行ってくれたのが、千葉市の村田町か、たぶん塩田町あたりの旧道沿いにあった土蔵を改造してつくった、けっこうお洒落な喫茶店の名物的な食べ物になっていた、とても辛いカレーでした。
お店の名前はたしか「蟻の手」と言ったと思う。・・もう無い・・のです。
それが飛び切り“辛くて”、脳天に“カシーン”とくるくらいの衝撃波がカラダを貫きました( ̄O ̄;)
でもねぇ、その辛さの中に旨味があるのを発見したのです。彼女は次から次へと独特な美味しいものを食べさせるお店に連れて行ってくれましたが、ここのカレーもそのひとつでした。
上記が“大人なカレー”の初体験でした。
今では、神田神保町などに出向き、カレー有名店に足を運ぶようになりましたが、カレーの魅力は語っても語り尽くせないものがあります。
そんなカレーの話題満載の本、あっという間の“完食”じゃなくて“完読”でした(*^_^*)
おいしかったぁ、じゃくなくおもしろかったぁ~(*゚▽゚)ノ
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