昭和・平成・令和にわたる呑兵衛の終着点
令和になって、皆さんいろいろと大変立派なことを考えられ、いい文も書かれていますが、私は私らしく、そういうご大層なことにはふれず、テーマは「この世で見つけた呑兵衛の終着点」について…σ(^_^;)
写真は有楽町、電気ビルの通りを隔てて向かい側、ガード下にある「食安商店」。
私が東京勤務時代に飲み会のあと、帰宅を急ぐ途中で見つけた“立ち飲み居酒屋?”です。
夜も9時半を過ぎ、そこにはサラリーマンから作業員風の人、職業不明の人、時にはOLまでがたむろしている。
飲み物は全部自動販売機で購入し、店内はほとんど自販機スペースになっているので、前の歩道に飲んでいる人があふれ、乾き物等のつまみは、どうやら店の奥におばちゃんがいるらしく、その人から“ブツ”を購入するらしい。
仲良く飲むでもなし、皆、都会の路上で人はいっぱいいるのに、孤独な感じで飲んでいる。「寂しがり屋だけど孤独好き」みたいな感じ・・。だって、ここに集まっているんだもの。
ここに来る究極の目的は「酒」!飲むこと、飲めることだけにある。
お店の雰囲気を楽しむ、あるいは飲みながらの会話を楽しむ、肴を味わう・・なんてことはこの場には無いっ!!
蒸し暑い夏の頃がこの場所の特徴がいちばんわかる季節。
スーツ姿のサラリーマンまでもがアスファルトの歩道にそのままベッタリと座り込み、あぐらをかいて缶ビールや酎ハイを飲んでいる。
もう何も考えず、ひたすらアルコールを喉に流し込んでいる。
その光景を見たときに、「あぁ、ここは呑兵衛の終着点なんじゃないか」と思ったのでした。
世間や仕事のしがらみなど、全てを頭の中から追い出して、酒で自分を、自分の中にある様々なやっかいごとを流してしまう・・。
家に帰れば、何も解決していないけれど、でもこの場では全てが有楽町の夜空に雲散する。
胸が締め付けられるような、そんな都会の一角なのでした。
昭和も平成も変わらなかった、そして令和になっても変わらぬままの光景でしょう。
人生の縮図、大人の世界、私もそんなことがわかるような年齢になっていたのです。
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