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2019/07/08

続いて、磯田道史さんの「日本史の探偵手帳」を読んだ

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『日本史の探偵手帳/磯田道史著(文春文庫)』を、やっと容体が落ち着いてきたベッド上で読みました。

いつもながら、磯田氏の古文書から読み解いていく歴史の話は面白い。

今回読んだこの本、特に感じたのは「税」っていう体系のものが武士の社会に存在したのかということでした。
年貢や諸役、冥加金などがそれにあたるのでは、と私は即座に思ったが、著者が言うように「地代」に近いものじゃないか、と考えることも出来ます。

土地の領主が地代として領民から財やサービスを取り立てているのですが、税と違ってそれは国民が必要なサービスを提供する目的で集めているわけではなく、それが「税」と言えるのだろうか・・そんなふうに考えられます。

そしてそれぞれの身分に応じて「役」を担うということもありましたよね。
その「役」は、もちろん武士にもあり、それが「軍役」で、事あらば戦に駆けつけるわけですが、でもそのためには軍馬を飼っておかなければならなかったり、様々な物的・人的・財産的準備もしておかなければならない。

そうなると主従の関係も私が今まで思っていたような、ピラミッド型の重厚でがっしりと構築された武家社会などというものは“砂上の楼閣”のようなもので、たぶん幕末のあたりでは、もう“ぐずぐず”な状態だったのではないかと想像されました。

江戸幕府は滅びるべくして滅びた・・そんな印象をこの本を読んで行く中で感じました。
『米』中心の年貢という税体系に似たものが営々と続けられ、その見直しがなされなかったのは長い幕府の歴史の中で致命的だったのではないか、と思いました。
税体系と共に、幕藩体制もぐらぐらしてきたのでしょうね。
だから、海外列強国からの圧力にも即座に対応できるような体制が無かったとも・・。

そしてもうひとつ。
「頼山陽」という人物についても、語られていましたが、この人の名前は教科書で見た記憶がありますが、著者が強調しているように戦前から戦後にかけて価値や人気が著しく下洛した人物で、私も教科書で数行書かれていたのを見かけたのみです。

幕末期の海外からの“荒波”、どう対処したらよいのか、その分岐点で、志士たちは、頼山陽の「日本外史」から、王政復古の思想を読み取り、大きな影響を受けて明治という時代へ向かって行ったというわけです。
このあたりのこと、ほとんど歴史では勉強しませんでした。

日本人の歴史意識は、この150年間で三人の人物によって創られたと、磯田さんは語っています。
江戸後期の頼山陽、その影響を大きく受けた徳富蘇峰(大正から昭和初期にかけて)、そして戦後の司馬遼太郎である・・と、言い切っています。
頼山陽については、ほとんど文献等を読んだことがないので、私、今後ちょっと色々調べてみようと思いました。

以上が、ベッド上で感じたことの記憶をまとめたものです。
この本もなかなか読み応えのあるものでした。

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