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2019/07/11

椎名誠さんの「やっとこなあのぞんぞろり」を読んだ。

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『やっとこなあのぞんぞろり/椎名誠著(角川文庫)』を読みました。これも病床で。

1992年に本の雑誌社から刊行されたものの改題・文庫化です。
この時代の椎名さん、何をやっていたかというと、映画制作です。
「ホネ・フィルム」という映画制作会社までつくって、かなりこの頃は映画に入れ込んでいたようです。

第一作の「ガクの冒険」を、一般的な上映館への配給で行うのでなく、全国コンバットツアーとなどと言って、全国にいろいろな都市から要望をもらったりして、公民館や体育館など、一般的な映画館ではないところで上映している様子が書かれていました。

いましたが、とにかくフィルムが届かなかったり、音が出なかったり、途中から始まってしまったり、上映が遅れてその前にトークコーナーなどで“しのいだ”り、のたいへんな様子が椎名さんのドキドキと呆れた気持ちと共に書かれていました。
実に椎名さんとその周囲のスタッフらしい光景でしたが、実際のそのときのことを思うと、気が気じゃなかったろうと思いました。こちらは無責任に読んでいましたけど。

さらに「うみ・そら・さんごのいいつたえ」という新作映画の製作にあたっては、椎名さんの旧知のおっさんたちと、映画専門スタッフのひとたちの合宿での作製過程が最初からどんどん揉めだして、常識から外れたその混沌とした様子が、なぜか次第にわけがわからないうちに結束していくという奇跡が起こり、その様子も実に椎名さんらしい文でまとめられ、とても面白かった。

昔、縁日などで夜空の下に張られた幕で映画を見た経験が鮮烈に残っている椎名さんの映画に対する情熱はちょっとふつうの映画ファンとは違うのです。
また、趣味の段階でも自分でカメラを買い、16ミリの短編映画を作っていたりした椎名さんの情熱がほとばしるようで、読んでいてその力強さにも驚きました。

その他椎名さんが若い頃に書いたSF小説をコンテストに出し、自身満々なのに落選した話。その作品を後々膨らませて、やがては作品として発表した話なども書かれていて、それも楽しめました。

この本を読み終えたあたりから、輸血などを受けて体力がだいぶ回復してきました。
つい一週間前くらいの話なのに、この本を読んだのがずいぶん前のような気がします。

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