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2019/08/31

「酔っ払いに贈る言葉」を読んだ。

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『酔っ払いに贈る言葉/大竹聡著(ちくま文庫)』を読みました。
著者、大竹さんは編集プロダクション勤務を経てフリーに。そして雑誌「酒とつまみ」を創刊しています。
タモリ倶楽部にも出演されていたのを記憶しています。

“酔っ払いに贈る言葉”は、著者の“酔っ払い”大竹さんから厳選されてこの本に集大成されています(^_^;)
全国の酔っ払いの皆さんは、様々な想いと共にこの本に目を通していただきたい。反省と後悔と、希望と、感慨などが綯い交ぜとなり身体に沁みてくることでしょう。

私が気に入ったお言葉は

夕暮れのビヤホールで
彼はひとり
一杯のジョッキをまえに
斜めに座る
[黒田三郎/詩人]

・・なんか気に入りました。私の飲む感覚に近い。


思うに、酔っ払った悦楽の時間よりも醒めて苦痛の時間の方がたしかに長いのであるが、それは人生自体と同じことで、なぜ酒をのむかと言えば、なぜ生きながらえるかと同じことであるらしい。
[坂口安吾/小説家]

・・生きていくのが苦痛だけど、わずかながら楽しみもある。酒を飲んでも醒めてしまえば苦痛を伴うが、でも飲んでいるときの悦楽を楽しみにする・・みたいなことか。なんかつらいが、わかるような気もする。


ごく強火で、手早く焼いて、醤油と七味唐辛子で食べると、なかから、あつあつの芯が飛び出してきて、舌を焼く。俗に言う鉄砲というやつである。
[神吉拓郎/放送作家]

・・焼いているのは葱です。しかも東京生まれの神吉さん、白い、太い葱のことを書いているのだと思います。酒呑みとしては読んでいるだけでも“いい感じ”(*^_^*)


世には、心得ぬ事の多きなり。とも有る毎には、まづ酒を勧めて、強ひ飲ませたるを興とする事、いかなる故とも心得ず。
[兼好/歌人]

・・要するに、何かあると酒を勧め、強制的に酒を飲ませることをおもしろがるのは、いかな理由ありともわけがわからん。って言っているのだと思います。
これには続きがあって、飲まされて具合が悪くなったり、二日酔いになったときの様子が書かれていました。つまり兼好は下戸ではない。二日酔いの気持ちもよくわかっている。
無理やり飲まされた人の哀しい酔態を簡潔な言葉にしているのです。
麗しき人は狂人となり、元気な人もたちまち病人みたいになる、前後不覚、ぱたりと倒れて目を覚まさない。
飲ませる人と、その風潮を嫌っているようです。
ひとり飲む酒は日々を慰め、好きだが、宴会はちょっといやだな、っていうのが兼好法師の言いたかったことのようです。

酒呑みの話はくどくなりそうなので、きょうはこの辺で。

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