「思いつきで世界は進む」を読んだ。
『思いつきで世界は進む -「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと-/橋本治著(ちくま新書)』という本を読みました。
私、勉強不足で著者のことを存知上げておりませんでした。帯には「追悼 橋本治」と書かれていて、今年1月に亡くなられています。
この本は、PR誌「ちくま」2014年7月号から2018年8月号までの巻頭随筆をまとめたものだそうです。
私は、タイトルと、帯の裏表紙側に書かれていた「バカにバカって言っても通じないこの国で。」という強烈な言葉に驚きつつ、引かれて読むことにしたのです。
〇アクセルを左にしたらどうだろう
〇電波で荷物は運べない
〇終わった社会
〇強権政治の終わり
などの各項目のタイトルを見ていると興味津々で読むのですが、それぞれ最初に“ガツン”とかまして、でも中盤は理屈っぽくて結局なんだか最初の勢いが削がれていって、最後にはなんだか尻すぼみな印象の締め方になっている、と私は感じました。
読んでいて感じるのは、自分は皆よりちょっと上にいて、やや見下しているという印象。
さらに中盤で理論的に進められる話は、何かが欠落しているように感じました。東大出の頭のいい人が書いているのだから、私に読解力が無いのかもしれませんが、肝心なところがまったく書かれていないように思った・・。つまり心に訴えかけて来ないのです。
で、最後は、やや“投げやり”な感じ。
もっとガンガン言って、グイグイ引きずるような文章の本だと思っていたからなのかもしれませんが、申し訳ないけど期待外れでした。ごめんなさい。本日の感想はここまで。
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