寺島靖国氏の「俺のオーディオ」を読んだ。
『俺のオーディオ -テラシマ流最強システム構築ガイド-/寺島靖国著(河出書房新社)』という本を読みました。ブックオフにて格安購入!d(^_^o)
寺島氏と言えば、今までにも数々の著書を読み、このブログでも度々ご紹介してまいりましたが、今回は氏のオーディオへの情熱というか、病気を通り越して“ヤバい”感じの取り組み、こだわり満載の本となっておりました。
いつもながら“けんかっ早い”様子も何度も見られ、一生治らない“不治の病”に取り憑かれている氏は、ある意味とても“しあわせ”な感じでした。
インシュレーターって知っていますか?オーディオマニアのリスニングルームを拝見すると、たいていはアンプの足の下に“かませて”いる主に金属製の“敷物”的なものです。
これをどの位置に何個敷くか、三点支持で前がひとつ、後ろにふたつ、ややはみ出し加減がいいのではないか、などと“矯めつ眇めつ”してうれしそうにトライしていくのです。
一個何万円もするのです。ややオカルト的でもあります。
しまいには、そのインシュレーターを壁から外して寝かせているコンセントに、枕のようにして設置し、電源ケーブルの下にもいろいろと置いて、あらゆることを試していくのがオーディオというものに取り憑かれた人間のやることです。
電源ケーブルやスピーカーケーブルも何万、何十万とするものを幾本も購入し、あらゆる可能性を試していきます。
そもそも家にあらかじめあるコンセントから電源を取らずに、自宅庭に専用の電柱を建て、純粋にオーディオ用の電源を用意するなどは、私からしたら“常軌を逸している”わけですが、「いい音になるのに、なんでやらないの」ってことだと思います。
アンプを二台購入して一台にはスーパートゥイーターとスーパーウーファー、もう一台には、ホーンとトゥイーターを接続して「どうだっ」って感じで鳴らしたりもします。
いったいどんな音がするのでしょうか。
寺島氏はジャズ喫茶店主でもあるわけですから、聞くのはもっぱらジャズばかり。十数年前に一度、氏のジャズ喫茶「メグ」にも行ったことがありますが、なかなか聞くことの出来ない鋭く攻撃的な音でジャズが鳴っていました。
もう楽曲を聞くためにではなく、オーディオそのもののために音を出しているわけで、文中でもそれを認めていますが、そういう世界に入ると、二度と“足を洗う”ことの出来ない“ヤクザな世界”に身を置くことになるのだということが良くわかりました。
近年、システムをどんどんグレードアップならぬ、グレードダウンさせていく私には、もう考えられない世界をこの本で味わうことができました。
マニアックなオーディオ世界はこの本で味わって、現実世界では安価な入門的ステレオシステムで心穏やかにリラックスしてジャズ的人生を過すことが分相応だと、この本を読んで確実にわかりました。
そっちの方が人生逆に豊かになりそうです。そうしましょ。
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