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2019/09/22

「とりつくしま/東直子」を読んだ。

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『とりつくしま/東直子著(ちくま文庫)』という本を読みました。
著者の、歌人で作家の東さんを、存知上げませんで、初めて作品にふれます。

タイトルにもなっている「とりつくしま」というのは、この短編小説集の中では、死んだばかりの人が“とりつくしま係”の人から声を掛けられ、「死後は何か“モノ”に対して“とりついて”よいと言われ、死んだ人自ら“とりつくしま”を決めることになるということになっております(^_^;)

そういう約束だからそういうものだと思って読むことから入らなければなりません。

夫婦で妻が先立ち、夫が大事にしていたマグカップにとりついて、自分の死後の夫の生活を見ている妻。
時が過ぎ、ついに女性が現われ、結婚間近みたいなところまでいくが、亡くなった妻はマグカップから二人の景色を見ていてどうにもその女が気に入らない。
さて、その後は。

とか、

憧れていた書道の先生の弟子になり、住み込みで手伝いをするまでになった生徒の女性が結局先に死んでしまうことに。
先生に自分がプレゼントした白檀の扇子に“とりついた”美しい女性が、先生とその奥様が縁側で自分を回顧してくれる様子を見るという・・不思議な世界も。

10話+番外篇1話の構成でしたが、どの話も静かに心の底に落ちてくるような物語ばかりでした。

自分が同じ立場になって“とりつくしま”を選ぶとしたら・・。
樹木などは生き物として扱われ、とりつけないということなので、あくまでモノの中から選ばなくてはなりませんが、何を選ぶだろう・・。

玄関のドアノブでしょうか。
毎日、家族がどんな顔で出掛け、どんな顔で帰ってくるのか、そんな様子を見届けたい・・のかもしれません。

特に今年度に入り、体調が思わしくない状況が続いているので、しんみりとして読んでしまいました。

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