横尾忠則さんの「病の神様」を読んだ。
『病の神様 -横尾忠則の超・病気克服術-/横尾忠則著(文春文庫)』という本を読みました。
初出が2005年から2006年頃のものをまとめたもので、ちょっと古いものですが、立ち読みしたら面白かったのでブックオフにて購入。
これは横尾さんが病気とどう付き合っていくか、そして常に死を意識している横尾さんは、死んでから後の世界もあるという考え方で、いったん重い病気になるとものすごく弱気になり、取り乱し、気持ちが落ちてきて病状は一気に悪化する、でもふとしたきっかけで、なぜかさっきまでの死にそうな状態がウソのように回復してしまう・・でもって、急に余裕たっぷりの考え方になり、さっきまでの苦しみと、取り乱し切っていた自分のことを楽しそうに語ったりする。
「死んでもその後の世界があるから自分は大丈夫」みたいなことを言う。
でも、病状が悪化の坂道を転げ落ちるような時には藁にもすがり、たいした効果のない治療をした先生には悪し様にモノを言い、“そんなことで治るの?”みたいな治療をした先生でも、効果らしきものが出ると、その先生にべったりと頼り切る態度に出る。
子供みたいです(^^;)
入院してひどい症状のときにはいろいろな検査をいやがり、そんな検査はまっぴらごめんだ・・という我儘なことを言うが、いざ検査をしてみると、痛いだの乱暴だの、こんな検査をなぜしなければならないのだ、とその場では言っていても、検査が終わり、病状が良くなってくると、読者に対し、「やはりやってみた方がいい」なんて無責任に勧める( ̄O ̄;)
さらに入院自体を楽しむようにもなってきて、「まるでホテルのスウィートにいるようだ」なんてすっかりリラックス・・病室で100号の絵を描いたりもしている(*^_^*)
実は私も人生のうちで入院していた時間はたぶん通算すると2年間くらいある。
そして、倒れて担ぎ込まれたときには、もうこの世の終わりかと取り乱す…σ(^_^;)
先生のひと言に心配が急加速して「来週の今頃は墓の下にいるのか」などと“早とちり”をしたりもします。
手術も何度も経験し、幽体離脱するほどの危機的状況にも遭遇しました。
さまざまな経験も思い返すと死にそうになったのに“良い思い出”みたいになって心に残っていたりするのも横尾さんに似ているような気がしないでもない。
常に病気と付き合い、隣り合わせの人生を送っている人の生き方って似かよってくるのかもしれません。
今現在の私も微妙な状態。
長く病気と付き合っていきましょう。
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