木村衣有子さんの「味見したい本」を読んだ。
『味見したい本/木村衣有子著(ちくま文庫)』を読みました。
著者の木村さんが味わい深い「食についての本」38冊を読み込んで、実に共感だらけのエッセイを書いています。
しかも木村さんが読み、ここで紹介し、木村さんご自身の言葉でそれぞれの作者の食についての感性や、自らの思うところの食についての考えを著わしている38冊の本については、私が今まで読んできた本に“まるかぶり”でした。
なので、もう私も読みながら“共感の嵐”でした'(*゚▽゚*)'
東京二十三区全てにある「甘味食堂」について。
私も非常に気になっていた「甘味食堂」にふれている項もあるのですが、稲荷寿司や、焼きそばなどの軽食とあんみつやパフェといった日本的なデザートが共存している、なんともこころ温まるような場所です。
千葉の船橋にも「美松」という、まさに“甘味食堂”そのもののお店があります。
ご近所の人達が気軽に寄って稲荷寿司や、おでん、ラーメンなどを食べ、さらに甘味で楽しく語らいの時間をゆっくりと過していた様子を思い出します。
池内紀さんの「今夜もひとり居酒屋」もいい本で私も読みました。
このブログでも紹介したことがありますが、「居酒屋には一抹の暗さ、さびしさが必要なのだ。けっこう微妙な陰影であって、暗すぎたり、さびしすぎたりしてもいけない。適当に薄暗く、わびしくない程度のさびしさ」と書かれていたのですが、「わかるよなぁ」d(^_^o)
カレーの項では、「カレーライス」と「ライスカレー」という言葉の使い分けについても書かれていますが、これについては時代やその人の生まれ育ち、カレーに対する郷愁のようなもの、家族関係、外食でカレーを食べに行くか、などによって様々な使い分けがされていることがわかりました。
この部分も、とても面白かった。
そのほか、珈琲の話や、パン、うなぎ、味噌汁などなど食の話題には事欠きません。
「名著」の部類に入る良い本でした。あっぱれでした!
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