「少しだけ、無理をして生きる/城山三郎」を読んだ。
『少しだけ無理をして生きる/城山三郎著(新潮文庫)』を読みました。
ここ数ヶ月で城山さんの本をこの本を含め、三冊読みましたが、いずれもとても興味深く、しかも今まで自分が踏み込めきれないようなところに踏み込んだ内容でした。
今回は「少しだけ、無理をして生きる」という、たぶん読む前から城山さんのことだから、“少しだけ”っていうのは“かなり”のことなんじゃないかと思っておりましたが、やはりそんな感じでした。
でも、城山さんにとっては“少しだけ”の領域なのかもしれません・・。
様々な著名人の言動を例にとって、その生き方を紹介してくれるのですが、私が感じた“少しだけ無理をする”というのはどういうことか、というのを抜き出して書いてみると・・。
人は結局、その人の性格に合った事件に出くわし、人生というものを突き進んで行く。
つまり起こることは、あなたの性格から起こるべくして起こったことなので、無理をしつつも頑張れよ、ということ。
私自身も思い当たるし、他の周囲の人にもそう感じました。
また、情報をあらゆるチャンネルから入れて、自分の嫌いな人の意見などにも耳を傾けることが結局人からの人望を得るようなことになる、というようなことも書かれていました。
たしかに、人望ある人はひとの話をよく聞きます。これも絶対的な事実だ。
さらに、「自分だけの世界」を大切にすること。
本を読んだり、絵を見たり、描いたり、座禅を組んだりすることなど、個人だけで完結する世界を持てということも書かれていました。・・これも大事だ。
続いて、親しい人たちとの関係を大切にせよ、とも。
妻、子、友人、親近者、仲間など、そういう人達によって人は支えられているのだということだと思います。
もひとつ、達成することの大切さも書かれていました。
目標を立て、段階を踏んで挑んでいくことも人間の支え、生きがいになる・・と。
いろいろな歴史上の人物を例にとって書かれている本ですが、広田弘毅首相についての記述が一番印象に残りました。
人としてどう行きるか、数奇な運命を辿った人物ですが、その人物像には驚くべきもの、惹かれるものがありました。
あらためて今後広田弘毅首相について調べてみようと思いました。城山さんの著書もあるので、探してみようかと。
今回の城山さんの本も勉強になることが散りばめられていました。
いい読書になりました。
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