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2020/04/11

なぎら健壱さんの「東京路地裏暮景色」を読みました。

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『東京路地裏暮景色/なぎら健壱著(ちくま文庫)』を読みました。
この本はちくま文庫のオリジナル編集で、なぎらさんの東京・下町、裏路地に関する文を集めたものになっていました。

東京裏路地の景色と共に、なぎらさんとフォークシンガー高田渡さんとの出会いから、高田さんが亡くなったのちの高田さんのお兄さんとのエピソードなども書かれていて、ファンの時代から、高田さんを師と仰ぎ、やがて共演することになり、人生の大切な友人とまで言えるようになったことが、なぎらさんの流れるようなリズムの文になって書かれていました。

居酒屋話も、いつくも書かれていましたが、アメ横近くの「大統領」も登場していました。
私も近年「大統領」を知りましたが、たしかにいい店でした。
あの近辺の雰囲気、いいですよねえ、人が“出そう”と思って出せるものではない、時代と人々の心や、思い出が混然となってあのいい感じが出ているのだと思います。

懐かしい話や、なぎらさんの“こだわり”のようなことも書かれていましたが、気になったのは、『1964年の東京オリンピックを境に、東京はとんでもない街になってしまった』という話でした。

確かにそのとき、東京は大都市にふさわしい顔を持ったかのようであったが、実は体裁だけであって、その“とんでもなさ”は明らかに人災的なデタラメであるとおっしゃっています。

水の都だった東京の中心を流れていた楓皮、京橋川、汐留川が全て埋め立てられた。
日本橋の上に高速道路をはしらせた。
東京の変わり様など、どうでもよかったのだろうか、・・と。

あのオリンピックが無ければ、日本の発展はもう少し遅れたかもしれないが、しかし、開催期間15日と引き換えに東京は大きく変わり、そして大きな物を失った、としみじみとした文体で書かれていました。

そのときの東京の様子を私は知りませんが、でも、東京に育ったなぎらさんには強くそう感じられたのでしょう。

今回延期となっている東京オリンピックにおいても、何か既に失いつつあるものがあると、私は感じます。
旧国立競技場を壊してしまったのも残念ですが、今回のオリンピックでは、物よりも何か精神的なもので日本人が失ったものがあるのではないかと、直感的に感じます。

東京裏路地の話題と共に、何かしんみりとするような、心に沁みる本でした。

 

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