「ジャズ喫茶 ベイシー読本」読み切った。
『ジャズ喫茶 ベイシー読本/別冊ステレオサウンド(株式会社ステレオサウンド)』を読みました。
発売日の5月28日に手に入れ、本日完読!あっという間に読み終えました。
ジャズ喫茶・ベイシーと言えばジャズ好きな人であれば知らない人はいない、岩手県一関市にあるレコード盤でジャズを掛ける、そして空前絶後の良い音で、しかも大音響でJBLのユニットをマスター作成のエンクロージャで固め、鳴らしているジャズ喫茶です。
そのベイシーが50周年を迎えるということで、ステレオサウンド社が一冊まるごとの大特集本です。
ベイシーの映画も完成されているとのことですが、この“コロナ感染騒ぎ”でまだ上映に至っておりません。
マスター・菅原さんの子供の頃から高校、大学、プロのドラマーとしての就職、そして病気のため一関に帰り、ジャズ喫茶を始めるところから現在に至るまで、マスターと音の格闘物語を中心に編集されていました。
そして野口久光氏はじめ、伊藤八十八氏、御大カウント・ベイシー、エルビン・ジョーンズ、タモリさん、村松友視氏、JBLのアメリカ本社の方々など、様々な人達との交流の様子も感動たっぷり、味わいたっぷり、洒落や冗談も交え、文章が掲載されています。
もう、全部が読みどころヽ(=´▽`=)ノ
何といっても、マスター菅原さんの音への探求心・追求心にこちらも心躍り、熱くて一本気な人生に“ジン”ときました。
私も一度だけベイシーを訪れたことがあります。二十数年前・・。
大音響なのに、ひそひそ声で注文を取りに来た女性の声もよく聞こえ、会話も小声でできる、ベイシーならではの良い音がそんな現象を生み出しているのだ、と驚嘆しました。
そのときマスターが掛けてくれたウエス・モンゴメリーのライブ盤では、ウエスのギター・アンプの“箱鳴り”の音が聞こえ、同じ音源を持っている私には今まで一度も聞こえたことのない音に驚きました。
さらにマイルスのライブ盤も掛かりましたが、トランペットを吹きながらソロの部分でセンターに歩いてくるマイルスの足音というか、ステージの軋み音が聞こえたときには震えが来ました。
すごいっ!凄すぎる!どういうことだ、自宅のオーディオでは同じレコードを掛けてもこんな音、影も形も無いっ!・・と、ベイシー・サウンドの素晴らしさにただただ心洗われるように音の滝壺の裏側に入ったような気分で、その貴重な時間を過したのでした。
最後にこの本の中で菅原さんが語っていたことで印象に残ったひと言を。
「有り難かったことが当たり前になっちゃうのは、ある意味不幸なんだよ。それに、どっかちょっと不便なほうが有り難いんだけどな・・。」・・・まったくもって同感でした。
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