「コロナショックと昭和おじさん社会」を読みました。
『コロナショックと昭和おじさん社会/河合薫著(日経プレミアシリーズ)』という本を読みました。
これは、著者・河合さんが日系ビジネス電子版に連載している「河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学」を大幅に加筆修正し編集し直して発行したものです。
2020年6月25日一刷となっておりますので、このコロナ感染拡大の事態に合せて急ぎ出版されたものではないかと思います。
コロナ過の最中、失業する人、経営が立ちゆかなくなり途方にくれる自営業者、困り果てたひとり親家庭、孤立する高齢者などについてどんどん取り上げ、今まで昭和の時代から根本的には変わらず社会の中で溜まりに溜まった“ひずみ”の噴出が一気に出たのだ、という論法で展開されている本でした。
雇用形態、家族というものの実態、そして人口構成が全く変わってしまったにもかかわらず、昭和から連綿と続いてきた“昭和モデル”をもとに今も動き続ける日本社会・・その現状についても書かれていました。
そして、コロナ感染拡大の時代が終わったあとに起こる変化はどんな形になるのだろう、そんな結論へと向かうのですが、如何せんこのタイミングに合わせて刊行されたと思われる本書、もうひとつ現状にも、その原因にも、今後どうなるか、という結論にも深く抉るところまでは行けなかった、と感じました。
書きたいこと、言いたいこと、今後はこうあるべきだ、という著者の考えが、今ひとつ決定的な実例に乏しく、私のような疎い者には、わかりやすい実例がさらに欲しいと感じました。
でも、ほんとうに書きたいことは、「きっとこうだろう」というのはうっすらと分かるのです。
それをヒントに、私も少し今後について考えてみようと思いました。
続編が出たらかなり深い内容の良いものが出てきそうです。
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