【The Beatles 研究室・復刻版】Abbey Road[A-5]Octpus's Garden
リンゴの最高傑作!・・と言っても、ビートルズ時代にリンゴのみで作曲した曲はホワイト・アルバムの「ドント・パス・ミー・バイ」と、この2曲だけだけど。
でも、とても良い出来で、映画「Let It Be」 でジョージに手伝ってもらいながら作曲しているシーンが思い出されます。
リンゴは4人の中では、ひょうひょうと問題なくビートルズにいたようですが、一時期みんなの仲違いによる雰囲気の悪さに耐えきれず、(しかも皆自分勝手な時間にスタジオに入って来たりして、いつも決められた時間どおりにスタジオ入りしていたリンゴには、その状況は耐え難い・・ということもあったようです)、自分は皆から疎外されているような気になって、スタジオから離れたことがありました。
だからビートルズを最初に脱退したのはジョージでも(LetItBeの頃に出て行った)、ジョンでも、ポールでもなく一番人間が出来ていると思われるリンゴだった、というのが、ある意味この時期のビートルズの状況を如実に表わしていると言えるかもしれません。
そんな状況のリンゴは、ある船の船長からタコの生態の話などを聞いて、それがこの曲に生かされたという話を聞いたことがあります。
「タコは海底を動き回って石や光り物を集め、庭をつくる」と。
それを聞いたリンゴは、ビートルズから飛び出た自分をタコになぞらえ、「しばらく隠れ家に住むのも悪くない」と思ったらしいです。
他の三人がスタジオ内でああでもない、こうでもないと、荒波の中争っていても、リンゴは海底でこの曲の歌詞のように・・「海のベッドに高枕」「嵐の下でも“ぬくぬく”」みたいな姿勢がピッタリとくるのですよねぇ、ほんと、リンゴらしい、いい曲だ。
リンゴのボーカルはテーマとサビがダブルトラックになっていて、最後の盛り上がりの時にメロディをちょっと変えるのは、たぶんポールあたりに指導されたようで、ちょっとぎこちない感じがします。
ドラムは得意のハイハットと16分音符のスネアを交互に入れるパターンが悠々と叩かれ、サビのシンバルや、間奏のタムとスネアだけのリズムなど、リンゴ余裕の名演です。
ついでにストローでコップの水をブクブクさせる音を入れたり、自分の曲ですから頑張ります。イエローサブマリンの続編みたいになりました。
ジョージのギターはストラトっぽく聞こえますが、低音部分を効くとレスポールのような気もします。
これにレズリーの回転スピーカーを繋いでいます。
意外と曲の出だしのギターって、ギタリストには難しいのではないかと思います。テンポが取り難くそうです。
いずれにしても、アビーロードというアルバムにも見事マッチして、最高の曲と演奏をリンゴも最後に提供したと言えます。
〈追記〉2020/07/02
リンゴの誕生日(7月7日)が近いこともあり、今回はリンゴの曲に対する当時の文を復刻してみました。
あらためてリマスター後のCDも聞き直してみました。昨年の50周年記念盤のバージョンも。
記念盤はリンゴのボーカルがけっこう前面に出てますね。それに低音も2009年リマスター盤より強調されています。バスドラムも“ズシズシ”きてますd(^_^o)
聞いているうちに、リンゴあってのビートルズだ!と再認識しましたよ。こんな素晴らしいドラムを叩ける人がビートルズのメンバーで良かった!(゚ー゚*)。oO
それにあんた、このエンターテインメント感たっぷりの歌い方、リンゴだけだよ(^-^)/☆
「アビーロード」の他の曲に比べてもまったく引けを取らない見事な楽曲です。
リンゴのファンでよかったヽ(=´▽`=)ノ
ついでにあのシルク・ドゥ・ソレイユの「LOVE」に入っているバージョンも聞いてみました。
いろいろな曲のいろいろな部分がミックスされ、リンゴのドラムも他の曲で叩いたものがうまくミックスされています。
そしてこのバージョンでは、リンゴの特にハイハットとスネアドラムの超カッコイイ叩きっぷりが堪能できます。
リンゴ・ファンでも、そうでなくても、アルバム「LOVE」でリンゴのドラマーとしての素晴らしさを体感してほしいです。
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