「人間関係/藤原和博」を読みました。
『人間関係 -人生の教科書-/藤原和博著・塩田雅紀絵(ちくま文庫)』を読みました。
人間関係をつくっていくのに必要なこと、そもそも人間関係が生きて行くこと、仕事をすることの中でどう役に立っているのか、などが藤原和博さんの文と共に塩田雅紀氏のイラストが添えられて、わかりやすく書かれているという本でした。
まずは、名刺や肩書きを捨てましょう、と著者は言っています。
名刺に頼らないでコミュニケーションできれば「忘れられない人」になる・・と。
また、「問いかける」ことで感動が生まれる、話し手が本当に話したいとを探り、それを聞いてみてください、ともおっしゃっています。
この「問いかけ」ということのために、どうやって準備すればよいのか、何を心がけれはよいのか、などが著者のやさしく語りかけるような言葉で書かれていて、どんどん入ってくる感じがありました。
私はもう仕事を人間関係でやり繰りしたりしていくような立場ではないので、今後の人生を良きものにするために、という思いで読みましたが、そういう意味でも役立つものだと思いました。
特に最近感じるのは、仕事関係の役職など抜きにして繋がることができた人達との関係がいかに素晴しいものか、ということです。
これはかけがえのないものです。
この本の中で特に印象に残ったのが、「人間関係を豊かに保つために、犠牲にすべきことはあるでしょうか?」という問いに、「私なら、テレビとケータイを犠牲にします。」と著者が答えている部分でした。
テレビは気を紛らわせたり、ボーッとするには良いけれど、テレビの前の自分は考えようとするモードにはなっていない、と著者は書いています。実際、そのとおりだと思います。
テレビばかり見ている人の意見って、キャスターが言っていることそのままだったりすることも多いと思います。同じ映像が何度も繰り返されて流れていることも無為な時間を過している感が強いです。
またケータイは「誰かにコールされていないと不安だ症候群」が煽られるとも書かれています。いつも不安な状態。
「ケータイ人格」というクセについても書かれています。
会話がメールモードになり、互いに考えを交流させる対話ではなくて、本人が気づかないうちに、“独り言”の応酬になっているというのです。
これも同感です。
相互に影響しあうことのない、隙間を埋めるだけの会話・・なりがちだと思いました。
時間に対する感覚も、「直前にメールを入れればいいや」ということになり、何か決断する覚悟や潔さなどの「仕切り」感覚がなくなっていくともおっしゃっていて、ただただ同感。
あっという間に読み終えましたが、人との付き合い方、出会いの方法などについて、とても参考になりました。
また少し心に栄養がついた感じ。
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