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2020/08/12

『話術/徳川夢声』を読みました。

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『話術/徳川夢声著(新潮文庫)』を読みました。
「徳川夢声(1894~1971)」といっても、この人を実際によく知っているひとは、たぶん私よりかなり年齢は上の方々だと思います。

もとは活動写真弁士で、1915年(大正4年)から徳川夢声を名乗り一世を風靡したのち、トーキーの時代を迎えると、漫談家、俳優、文筆家として活躍されたのだそうです。

私は小学生の頃にテレビで朝の政治対談番組か何かを見たような記憶があるのですが、ほとんど記憶に無いのです。
でも、お名前だけは、その頃から今に至るまで何度も何度も聞きました。
“話術”の名人であるということで。

この本はブックオフにて格安110円にて購入。
でも、「上手に話す」ことの難しさについて、どういう方法で話せばよいのか、など、とても参考になりました。

ユーモアも交えつつ、でも実際にはどの項も“真剣”に書かれていました。
話芸のプロが、堂々と自らの経験の中で得たものを惜しげも無く、丁寧に書いている本だと思いました。

ちょっと楽しい“教科書”のようでした。

話すことの根本条件に、話す人の人格や個性、間(ま)の置き方などをあげられていましたが、それぞれについて実例を挙げて、わかりやすいものになっていました。
いきなりテクニック的なことから入らないことで、私にも「ひょっとしたら出来るかも」などと淡い期待を抱かせてくれました。
わずかばかりでも“期待”を持つことができるのがうれしい本です。

日常話も、座談、会談、業談などの項目に分け、具体例も挙げているため、私のような素人にもわかりやすく、面白い。“カタッ苦しい”教則本のようなものかと思っていたら、“読物”としても楽しめる内容でした。

演壇話の章では、徳川氏自身が失敗した講演や、恥ずかしい思いをした経験などを、ちょっと笑わせながら語り、“読んで楽しい教科書”となっていたのです。

最後は「演芸」についても、童話・講談・落語・漫談・放送(物語放送のコツ)など、それぞれの分野での“コツ”を語ってくれました。

私も、人と話す機会には、この本から得た知識を少しずつでも生かしていきたい、と思いました。
社会に出て、話す機会も多くなり、その度に“緊張しまくり”の人も多い(私もそうだった…σ(^_^;))かと思いますが、わずか250ページのこの本はそんな人に役立つだろうな、というものでした。

 

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