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2020/09/13

「ぼくの日本自動車史 1945~1976/徳大寺有恒」を読みました。

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『ぼくの日本自動車史 1945~1976/徳大寺有恒著(草思社文庫)』という本を読みました。

徳大寺さんの自動車評論は、あの「間違いだらけの車選び」に代表される独特の語り口と、辛口批評でご存知の方も多いと思います。

すでに亡くなられてから数年が経ちましたが、あのお顔は忘れることが出来ません。
三本和彦さんとTVKのテレビ番組で語り合っていた姿も昨日のことのように思い出します。

今回ブックオフにて購入してきたこの本は、徳大寺さんが子供の頃から学生時代、いろいろな仕事の手伝いをしたり、レーサーになったり、車用品などの会社を興し、やがて倒産の憂き目にあったりの人生をその時々に出会ったクルマと共に語っていくというものでした。

登場するトヨタのクラウンの初代のものや、パブリカ、カローラ、プリンス自動車のクルマ、スバルや日野自動車、いすず、ホンダ、マツダ、日産、三菱などの、私が知っているクルマのずっと以前の初代の頃から徳大寺さんが乗ってきた様子がつぶさに書かれています。

初期の頃の日本車は、多くがタクシー需要のために作られていたため、足回りに凝って複雑なサスペンションにしたりすると、まだまだ舗装が整備されていなかった日本では、すぐに足回りが壊れてしまい、結局はリジッドの頑丈な足回りのものが重宝された話。

意地でも英国車風の凝ったエンジン、サスペンションにこだわったため、吸収合併されてしまった会社の話。

トランスミッションがシンクロでない時代の車の運転の話。

などなどが、当時の時代背景や、徳大寺さんの周囲にいた人々のエピソードと共に語られていて、時代の空気を大いに感じることができ、私にとって、とても貴重な体験をしたような気持ちになりました。

様々なクルマの特徴や、乗り味、メカニズムなどが次々と語られ、クルマ好きにはたまらない一冊です。

この本自体が1993年に刊行されたものの文庫化なので古いものですが、徳大寺さんがひどいクルマとしてふれていたトヨタのカリーナED、セレス、マリノのところでは、当時私が感じていたことそのままに書かれていて、激しく共感しました。

うしろの席には座れないのに4ドアにしている、スタイルのみのため(まともな大人から見たらとてもみっともないスタイル)“エエカッコシイ”で、クルマのことは何もわからない輩向けのものでした。・・そして売れた・・。

でもそれがトヨタなのです。

マーケティングに優れたトヨタ。トヨタが作るクルマがその時々の日本人の姿だと思うのです。

今で言えば、アルファード、ヴェルファイアの“これ見よがし”で“威圧的”なスタイル。

C-HRのデザイン性の欠片もない着膨れたみっともない姿。

プリウスをはじめとする子供が描いた科学特捜隊みたいな幼稚なデザイン。

LEXUSの一連の金持ち気取りの“鼻持ちならない”姿。

皆、今の日本人の自分勝手で、大人げない、えばりん坊で、これ見よがしな姿が投影されている、というのが私の意見であり、この本で徳大寺さんが再三おっしゃっていることだと思います。

要するに、トヨタのクルマを見れば、今の日本人の醜さがわかるというものです。

逆に言えば、そういうものを作り、ベストセラーにするトヨタの凄さを感じるわけです。

450頁にも及ぶ大長編でしたが、いちいち頷きながら読みました。
ほんとうのクルマ好きなあなただけにおすすめです。

 

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