【The Beatles 研究室・復刻版】Beatles For Sale[A-5]I'll Follow The Sun
今回は、アルバム「ビートルズ・フォー・セイル」からポールの佳曲「アイル・フォロー・ザ・サン」を復刻してみます。
ポールが16歳の時に書いた曲だそうです。
けっこうスケジュールが立て込んでいる中でなんとかアルバムを仕上げなければならない契約を考慮して持ってきたものだと思われます。
デビュー前に書いた曲を持って来たわけですが、いい曲です。
フォーク調の小品といった感じですが、見事なほどに聞く者をうっとりさせるメロディーとコーラスです。
コーラスは、もちろんポールとジョン。
二人の息はピッタリ合って、合いすぎているくらいの絶妙さです。
ポールは、この曲を作曲したときのことをはっきり覚えているようで、自宅の居間で、風邪をひいているときに作ったと発言しています。
その頃から、ジョンと二人でお互いの部屋に入って膝つき合わせて曲を作っていたのでしょう。ですから、息が合うのももっともな話です。
リンゴは、ドラムを叩かず、膝を手のひらで叩いています。
ちょっと指をすぼめ加減にして、空気が入るようにして、パーカッションのような音で録音されています。
この曲にピッタリのアイデアです。
この「フォー・セイル」というアルバムは地味で、普通の人がファンになり、ビートルズを聞き始めても、「レット・イット・ビー」や「アビー・ロード」「サージェント・・・」などに行ってしまうのが一般的で、最後の方にたどりつくことになるものだと思います。
でも、それはもったいない話で、「エブリ・リトル・シング」「ノー・リプライ」そしてこの「アイル・フォロー・ザ・サン」などの隠れた名曲がひっそりと宝物のように入っているのです。
人前で、“ギターを弾いてくれ”などと言われて、この曲をおもむろに爪弾いたりしたら、それはもうかっこいいと思います。
「フォー・セイル」は、ビートルズファンになったら必聴盤です。
〈追記〉2020/09/12
今回アップするにあたってまず聞き返したのが、「ベイビー・イッツ・ユー」のシングルCDに入っていたものです。
録音初期であろうアコースティック・ギターの音と、ジョンとポールの歌声が素朴な感じで入っているバージョン。テンポはゆっくりめで、とても静かで落ち着いていて心地良いものです。あらためて聞くと、こういうのもいいなと思いました。
続いてアメリカ・キャピトル盤の「Beatles '65」に入っていたもののステレオ盤。
キャピトル盤にしては、荒さがなく、とてもきれいな音でしみじみ聞くことができました。
次に聞いたのはオリジナルの2009年リマスターのステレオ盤。
これは音に深みが入っていて、ギターの音もとても艶やかで、ボーカルも自然で温かみのある音になっていました。
さらに次は2009リマスターのオリジナル・モノ盤。
音全体に陰影がついて、これまたいいです。ボーカルの音は、息づかいというか、歌い方のニュアンスまで入っているように感じました。
続いて「On Air : Live At The BBC」のアルバムに入っていたもの。
ギターのストロークする感じ、生っぽいギターのスチール弦の音がたまらなくいいです。
まだまだ続いて、今度は「Beatles '65」のモノラルの方。
これまた意外と音がくっきりしていて、ポールのボーカルとジョンの声の絡みが生々しく、いいです!これも(#^.^#)
結局、6バージョンある録音を聞いてみたのですが、もともとの録音がけっこう丁寧にされているのか、全体に音の深みを感じ、この頃の録音もなかなかいいものだな、と思ったのでした。
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