太田和彦さんの「居酒屋道楽」を読んだ。
『居酒屋道楽/太田和彦著(河出文庫)』を読みました。
太田さんの1990年代の「東京人」や「旅」、1990年代後半から2000年代に入ってからの「小説新潮」などに掲載された文、また、その後の新潮文庫「居酒屋道楽」をまとめたものになっています。
文庫にまとめられたこの本は、内容充実、特に『隅田川に沿って、東京の居酒屋を歩く』のところは、太田さんの“得意エリア”でもあり、文章が“冴え”ます。
また、風景や建物のたたずまい、お店の主や、女将さんなどの様子も見事に描かれていて、名調子が心地良く流れていくようです。
「銀座百点」に掲載された『銀座、ビアホールの街』なども、あのビアホールの風景が眼前に蘇ってくるようでした。
たまたま隣席となった老人のビールの飲み方、そのつまみの選び方を参考にした話なども“いい話”として私の心にも残りました。
また、女性に弱い太田さんの面目躍如!眼鏡の美人秘書と居酒屋などを巡る話では、太田さん、年甲斐もなく、わくわく、どきどきしたり、照れたり、シュンとしたり(^_^;)、・・男はみんなそうなんだよな、と思いましたよ。
帯にも「幻の傑作、復刊!」と書かれていましたが、酒好きにはとても楽しめる本でした。
おすすめ本です。
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