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2020/10/18

【1/2】ジョン・レノンの生誕80周年を記念した「GIMME SOME TRUTH」を聞いてみた

20201018_john_new_album001

JOHN LENNON が生まれてから80年を経た2020年の今年、それを記念したベスト盤的なCD二枚組(1枚のものも出ている)を入手しましたので、それらを聞いて一曲ずつ感想を二回に渡って書いてみようと思います。まずはCD一枚目から。

このアルバム製作にあたってのジョンの妻、ヨーコからの要望として

①オリジナルに敬意を払い、忠実であること。

②音質は全般的にクリアにすること。

③ジョンのボーカルの明瞭度を上げること。

の三つが挙げられていました。私もそうすることは大切だと思いました。


また、ジョンとヨーコの間に生まれたショーンは、

①ソフトウェア、プラグイン、デジタルの機材を用い、コンピューターでのリミックスをしないこと。

②ヴィンテージのアナログ・プレート、リヴァーブや外付けの機材を使い、アルバム全体をアナログの環境でマスタリングすること。

を要望し、実現したとのこと。

これも素晴しいアイデアだと思いました。

上記の条件をクリアしてリミックスされたジョンのアルバム「GIMME SOME TRUTH」。
一曲ずつ聞いていきたいと思います。

[CD-1]

1.INSTANT KARMA !(WE ALL SHINE ON)

一曲目からいきなり“ゴリゴリ”な攻めている音に仕上げています。
ベースもズボズボいってるし、ドラムへのエコーの掛け方が異常なくらいで“輪唱”しているみたな感じです。
かなりワイルド。

2.COLD TURKEY

これまた、すごい過激な仕上がり。ベースは脳天まで突き抜けそう・・。
でも、デジタルで強調したような感じがなくて、ショーンの言っていた意図がわかるような気もします。
なのにジョンのボーカルはクリアです。静かな部屋で歌っているような静寂さまで感じます。
ギターの音はアンプから出たそのままの音っていう印象です。余計なものがないです。

3.WORKING CLASS HERO

打って変わって、アコースティック・ナンバー。
このジョンのボーカルはとてもナチュラルです。
今、その場で歌っているような臨場感があります。
アコースティック・ギターの音はギターのボディーの“鳴り”も聞こえます。運指の音も入っています。

4.ISOLATION

もともと虚飾無しのサウンドだったこの曲、よりジョンの感情というか、感性そのままに歌っている様子がサウンドに表現されていると感じました。
ドラムの音がより、“生”な感じになっていて、余計なエフェクトを排除したように思います。
ピアノの音も自然な方向に持っていったのではないかと思います。

5.LOVE

「ジョンの魂」というアルバムは、あまりレコーディング技術に頼ったようなところがない作品でしたが、それをよく表わしていたのがこの曲だと思います。
で、あらためてリミックスされたこの曲を聞いてみると、もともとのものよりも更にやわらかく、ナチュラルになっています。
・・ってことは、オリジナル・ミックスでもけっこう“いじって”いたのだな、などと思いました。
今回は、ちょっと温かみまで感じさせるミックスになっていました。

6.GOD

初めてこの曲を聞いたときは、赤裸々なジョンの告白のような歌詞に驚いたものでした。
そして、そのサウンドは“霞”の向こうからジョンが仙人のように悟って歌いかけてくるような印象でした。
今回のミックスでは、もっとジョンが近づいてくれて、歌っているようなサウンドになっていました。
クリアでナチュラルで、ウォームな音です。

7.POWER TO THE PEOPLE

最初っからドコドコ、ドタバタしているこの曲ですが、その“ドタバタ”感は生かし、でも反響が重なっているような部分はうまく整理してあるように感じました。
バスドラ、スネアの残響音も不明瞭になる寸前で止めていると思います。
ベースも“こんがらがる”前に整理した“寸止め”状態のミックスです。

8.IMAGINE

ジョンのボーカルがかなりクリアになりました。
ピアノの音も雲間から鳴っているようだったものが、ホールで弾いているような音に。
オーケストラの音も、一回洗濯したようなきれいで澄んだ感じです。
私の持っている輸入盤オリジナル・シングル・レコードの“ゴツゴツ”“ゴリゴリ”した感じは無くなり、“毒気”が抜かれた感じですよ。
この曲に限っては、オリジナルミックスの方がいいかな・・。

9.JEALOUS GUY

今までの「知っている人は知っている」的な、ジョン・ファンの“隠し曲”“とっておきの曲”みたいな感じの暗さが影を潜め、いい曲を小コンサートホールで聞かせてくれているようなサウンドになっています。
「いい曲じゃんっ!」て、みんなが言ってくれるような、日陰の身から外気にふれてきた感じ(^^;)

10. GIMME SOME TRUTH

この二枚組アルバムのタイトルと同名曲、力が入っているのは間違いありません。
エレキギターの音はクリアかつ艶やかに演出されていました。
ジョンのボーカルはあくまでもクリアで良く聞き取れる感じ。
ハイハットで刻まれるリズムもエッジの効いたシャープな音に。

11. OH MY LOVE

ピアノがウォームで、やさしい音に。
ジョンのボーカルはここでもヨーコの希望どおりにクリア。
部屋でひとり聞いていると、なんだか涙が出てきそうな小品、佳曲になっている印象。

12. HOW DO YOU SLEEP ?

一連のポールとジョンの“罵り合い”の一曲として有名ですが、今までは私、あまり聞きたい曲ではありませんでした。そんなのイヤだもの。
今回は、そんな“恨み辛み”よりも曲としての存在感を中心にミックスしたように感じます。
ギターの音も、オーケストレーションも、ポピュラーミュージックとして良い仕上がりにもってきたのではないかと思います。
だから、今までのように妙な気持ちにならずに少しは聞けるようになったかも。

13. OH YOKO !

ジョンのボーカルがオリジナル・ミックスよりも、とても明るく、自然な感じです。
ふわっと楽しく、ギターのカッティングもより軽やかになったんじゃないかと思えるくらい。
バスドラの弾むような“カタコト”いってる感じもオリジナル・ミックスよりもリズミカルに感じます。気のせいだと思いますけど(*^^*)
こりゃ、いい仕上がりです。

14. ANGELA

どちらかというと、ガサガサしていて、荒涼としている曲ばかりという印象のアルバム「サムタイム・イン・ニューヨークシティー」に入っていた曲ですが、このミックスでは、“角が取れ”て、ジョンとヨーコのボーカルも艶やかで、厚みが出た感じがします。
ドラムも大袈裟な残響音がなくなったのではないかと思います。
ひと言でいうと“聞きやすい”です。

15. COME TOGETHER(LIVE)

これはライブ・バージョンのリミックスです。
これもジョンのボーカルがはっきりとわかりやすくなっています。
バンド全体の音も、クリア度が増しています。
リミックスの話とは離れてしまいますが、この「COME TOGETHER」という曲は、ビートルズ以外のバンドがやると、どんなバンドがやっても“間延び”した感じになります。
ジョンが入っているのにもかかわらず、このバージョンもそんな感じです。

16. MIND GAMES

オリジナル・ミックスの“ギラギラ”した感じがなくなりました。
ジョンのボーカルも派手なエコー、リヴァーブなどが排除され、歌唱力でもっていく感じになっています。
だから、あの当時の「出たぞぉ~っ!ジョンのニューアルバムはこれだぁっ~ヽ(=´▽`=)ノ!!」っていう迫力は感じなくなっちゃった (・_・;
ちょっと整理し過ぎたんじゃないかなあ(^_^;)

17. OUT THE BLUE

いきなりアコースティック・ギターのイントロからクリアでやさしい感じ。
この曲も前曲に続いて、あの迫力がなくなった印象です。
ちょっとアコースティック・ギターの音まで“歪んだ”ような、“やり過ぎ”なエフェクトも、この「マインド・ゲームス」というアルバムの特徴だったような気がするのですが、楽曲重視なテイストになっていると感じました。
こうして聞けば、「この曲はこういう曲だったんだ」と、あらためてわかるんだけどさ。

18. I KNOW(I KNOW)

この曲も、バックの“ど派手”な感じがきちんと整理され、余計な虚飾は取り去ったかのようです。
この曲が入っていた「マインド・ゲームス」は、ジョンのソロになってからのアルバムでは、割とバンド・サウンドが生かされているように感じたのですが、ジョンもちょっと無理して“攻めて”いた感じが引っ込んでしまったんじゃないのかなぁ。
仕上がりは、きれいで、整ったものになっているんだけど・・。

 

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