映画「声優夫婦の甘くない生活」を見ました。
映画『声優夫婦の甘くない生活(Golden Voices)/2019年 イスラエル 監督:エフゲニー・ルーマン 出演:ウラジミール・フリードマン、マリア・ベルキン』を見て来ました。
60代になるまで長年連れ添ってきた声優夫婦、かつてのソ連に届くハリウッドやヨーロッパの映画吹き替えで活躍した夫婦が、ソ連からイスラエルに移民するという、監督が旧ソ連圏から移民した経験を元に製作した物語でした。
夫婦は第二の人生を夢多きものとして考えてやって来たのですが、新天地では声優の需要がなく、厳しい状況に。
夫の方は、ビラ貼りやその他厳しい仕事をやってみては体力がもたず、やがて違法レンタルビデオでの声優の職を得、妻の方は夫に内緒でテレフォンセックスの仕事に就き、七色の声をもっているので、若い女性に成りすまし、意外や思わぬ才能を発揮するなどと、ストーリーの展開は思わぬ方向に・・。
互いの仕事が軌道に乗り始めたかと思いきや、妻の仕事内容が夫にバレてしまい、双方が長年抱き続けてきた不満や本音が噴き出して、それぞれが自分の人生を深く振り返り、考えるようなことになっていきます。
このあたりが、私たちのような普通の夫婦生活を送っているようにみえる者にも、心に突き刺さり、深く感じるとることがある・・と思わせてくれるのでした。
どんな人にも、どんな夫婦にも互いにいろいろと思っていること、感じることがあるものです。
それがこの映画が場所、時代を超えて深い共感を呼び、ヨーロッパの映画祭を中心に喝采を浴びて高い評価を得た要因だと思います。
まさにビタースイートなエンディングに、「小品だけど、いい映画だな」と感じることになりました。
大人な夫婦におすすめいたします。
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