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2021/02/14

「太宰治の手紙」を読みました。

20210214_letter_from_dazai001

『太宰治の手紙 -返事は必ず必ず要りません-/太宰治・小山清編(河出文庫)』という、いわゆる「書簡集」を読みました。

師である井伏鱒二や、作家・木山捷平、私淑した小山清、友人高田英之助、内縁の妻と姦通した小館四郎らへ送った全百通の書簡です。(※戦前のもの)

解説には、そのたくさんの手紙の中には、優しさ、誠実さ、含羞・・はにかみ、恥じらい、みたいなことでしょうか・・“そしてダメさ加減”があふれていると書かれていました。

私が読んだ感覚でいうと、“ダメさ加減”が80%を占めていた(^_^;)ような気がします。

ま、ほとんどが“金の無心”と“お願い事”ではないか、と感じました。

人は、こんなに“へりくだる”ことが出来るのだろうか、と思うくらいに“おべっか”混じりで、当時の人間関係というのが、こうでなければ保たれないくらいの時代であったのかもしれませんが、読んでいてそうまでしなくてもと思ったのです。

でも、「これからは真人間になって」なんて言葉は、誰が言っても信じられないのは現在も一緒で、“だからいわんこっちゃない”ってことに結局なってしまうようでした。

それでも、何度も何度も手紙をもらうと、立派な人は「今度こそ大丈夫だろう」なんてことになって、お金も含め、力になってあげようとするのでした。いい時代です。

この時代に LINE があったら(^^;)、太宰の LINE は、一日に50~100件くらいは井伏さんほかの方々に着信したことでしょう(^_^;)


井伏鱒二にあてた書簡の一部をご紹介すると、以下のとおり。


でも、ほんとうにおかげさまでございました。

一日一日愚かな私にも、井伏様、御一家様の、こまかい、お心使い、わかってまいり、「感奮」という言葉を、実感でもって、ほとんど肉体的に、ショックされて居ります。

仕事します。

遊びませぬ。

うんと永生きして、世の人たちからも、立派な男と言われるよう、忍んで忍んで努力いたします。

けっして巧言では、ございませぬ。もう十年、苦しさ、制御し、少しでも明るい世の中つくることに、努力するつもりで、ございます。


・・う~ん(^_^;)今の時代、私だったら、こんなヤツ絶対信用しません。

というわけで、当時の太宰の書簡、時代背景や、当時の太宰の状況など、太宰について詳しく研究している方にとっては貴重な資料となるものですし、私のような者にとっても、読物としても面白いものでした。

表紙の写真は、銀座の酒場「ルパン」で撮られた、有名なものですね。
太宰らしい、いいポーズと表情です。

 

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