「眠れないほどおもしろい やばい文豪/板野博行」を読んだ。
『眠れないほどおもしろい やばい文豪/板野博行著(王様文庫)』を読みました。
“やばい文豪”・・、すでにこのブログでは、太宰治に関する井伏鱒二の「太宰治」、河出文庫の小山清・編の「太宰治の手紙 -返事は必ず要りません-」などの書籍について読後感を書いておりますが、太宰も“やばい文豪”でしたが、他の文豪も負けてはおりません(^_^;)・・ろくなやつがいませんでした・・。
たとえば、谷崎潤一郎は、妻・千代の妹、三千子と関係を持ってしまう。
二人目の妻はアイドル並みの可愛らしさだったが、たちまち捨ててしまう。
三人目の妻、松子は旧家の御寮人さん。“W不倫”の末に結婚しています。
で、松子とその姉妹をモデルに日本版「若草物語」ともいえる「細雪」を書いています。
それでね、谷崎が最初の妻、千代の妹に手を出し、夫婦仲が悪くなり、友人の作家、佐藤春夫が千代をなぐさめているうち、春夫と千代は“相思相愛”に。
でもって、谷崎は春夫に妻を“譲る”!!ことにして、春夫と約束し、「譲り状」を書きます( ̄O ̄;)
しかし、谷崎が義妹に“フラれる”と、妻を譲るのが惜しくなり、直前にその約束を反故 に(・_・;
それから五年後、二人は和解し、千代さんを佐藤春夫が譲り受けるのでした(^_^;)・・どうなってんの!
ほとんどこの本で紹介している誰もが知っている文豪の皆様、全員、どうしようもない人のオンパレードですが、もうひとり、ここで紹介しておきましょうd(^_^o)
岡本かの子。
夫とともに愛人と同居し、その男との間に子供二人をもうける。
その愛人は、かの子の元を去って間もなく死亡。
二人目の愛人はマネージャー兼家事手伝いで、のちに島根県知事になったとのこと。
三人目の愛人はエリート医師。
かの子と愛人二人と夫と長男(なんと、あの岡本太郎です)、五人が同じ屋根の下で暮らしていたという・・。
でもって、夫の稼いだお金で、五人全員ヨーロッパ外遊(^_^;)
若いツバメと旅行中に倒れ、夫と愛人の看病の甲斐なく死亡。
なんだそうですよ…(^_^;)
その他にも、名だたる文豪が続々登場d(^_^o)
島崎藤村などは、貧乏のどん底の中、三女、二女、長女の順で栄養失調で子を失い、妻も死亡してしまいます。
男手一つで残る四人の子供を育てるのは無理と、次兄の次女(ようするに姪です)に頼んで子供の世話をしてもらいましたが・・。
藤村は、その十九歳の姪に手をつけ、妊娠させてしまいます。
そしてヨーロッパに姪っ子とお腹の子を捨てて逃亡します・・最低です。
こんな人ばっかりで、呆れましたが、そんな人達だから常人では描けぬ作品を書いたのかもしれません。
これでもほんの“一部”ですので、気になる方は、ぜひともこの本を読んで、「愕然」としてください…(^_^;)ひざをついてガクッと倒れそうになりますよ、私がなったから間違いない。
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