「ひきこもりグルメ紀行」を読んだ。
『ひきこもりグルメ紀行/カレー沢薫著(ちくま文庫)』という本を読みました。
著者のカレー沢さんは、漫画家、コラムニストです。
カレー沢さんの生活ぶりにマッチしたのか、現在の発達した通販文化を駆使して、“部屋から一歩も出ずに全国津々浦々の名物を食べていくという企画となっておりました。
そして、そんな最中、新型コロナウイルスが蔓延する社会状況となってしまい、結果、「ひきこもり」が正しい行動となったわけで、この企画はますます、やりやすくなったというわけです。
作者の文章表現は非常に面白く、愉快で、笑いっ放しな読書となりましたが、登場する「名物」の写真などが掲載されていなくて、いくら見た目の感想や、食べたうえでの感想が書かれていても、今ひとつ伝わってこないという印象を受けました。
※イラストもあるのですが、あまりの“簡略化”で、よくわからない・・。
とりあえず面白く読みましたが、私の地元千葉県の名物に「ぴーなっつ最中」が登場し、やっと実感がわいて読むことができました。
こちらが“現物”を知ったうえで読んで見ると、面白さは「倍増」でした。
やはり、写真が必要だったんじゃないのか、と思ったのでした。
盛岡の冷麺の項目では岩手の麺職人が「咸興(ハムン)冷麺」と「平壌冷麺」を融合させて作ったということが書かれていました。
最初は“ウケなかった”のですが、麺に工夫を加えたりして人気麺、名物麺になっていった過程が詳しく書かれていて、まだ盛岡冷麺を食べたことのない私の興味はさらに倍加いたしました。
というわけで、著者が“ノって”書いている名物については、けっこう想像もついたり、知識を得たり、味もなんとなくこうじゃないか、というところまでわかったのですが、イマイチ興味が無さそうな名物は、読んでいて、あまり盛り上がっていない様子が読み取れました。
今度はコロナ禍が収まって、現地取材と写真掲載のうえでのカレー沢さんの文が読みたいと思いました。
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