フォト

わたしのいきつけ

無料ブログはココログ

« 現実はどんどん深刻化している。 | トップページ | 「ひきこもりグルメ紀行」を読んだ。 »

2021/05/27

【The Beatles 研究室・復刻版】Past Masters ・ Volume One[A-4]She Loves You

Pastmasters1
2004年から2008年にかけて作成したホームページ「The Beatles 研究室」・・2009年リマスター発売後の一部追記も含めてのブログにての復刻版です。ほぼ当時のまま、そして復刻後追記も付しております。
今回は、「Past Masters ・ Volume One」から『She Loves You』を取り上げます。
「パスト・マスターズ」については、2009年リマスター後に「モノ・マスター」も整備されていますので、今回はそれらの音源も聞きつつ「追記」として記述を加えたいと思います。

20210527_beatles_photo_data001

押しも押されもしない初期ビートルズを代表する名曲です。
英国では、ビートルズ4枚目のシングルとして発売され、予約だけで50万枚の大ヒット、さらに150万枚まで当時売り上げを伸ばしました。この記録はポールが自ら解散後「Mull Of Kintyre 」のヒットで破るまで、英国の記録でした。
英国では、5週連続1位、全米チャートでも2週連続1位を獲得し、大ヒット曲となりました。
「抱きしめたい」で、全米を席巻し、この「シー・ラブズ・ユー」で全米はビートルズの“虜”になりました。

曲の途中での“ウゥ~ッ”というファルセットになる部分はまさに圧巻でした。これに当時の女の子たちは、“シビレ”たわけです。

イントロでは、リンゴの“ドドンッドドン”というドラムの後、いきなりボーカルが入ります。これはプロデューサーのジョージ・マーチンのアイデアだそうです。
そして、『Yeah,Yeah Yeah ! ! 』の圧倒的なコーラスを入れることに関しては、ポールのアイデアだったようです。

エンディングのコーラスについては、ジョージ・マーチンがアイデアを出したようですが、結局ジョンとポールのいったん、ゆっくりになってから最後の盛り上げを行う現行のコーラスになったのだそうです。
ジョージ・マーチンは、それがあまり気に入らず、「グレン・ミラー」風だと言って、気乗りがしなかったようです。

ドラムに関しては、いきなりイントロからボーカルに入ってきた部分については、バスタムとスネアでリズムを取っています。さらに『Yeah,Yeah Yeah ! ! 』のあとの部分に“ダラッダラッ”と三連の頭落ちのようなリズムで強調します。ここが、リンゴの良いところです。普通はバスタムとスネアだけで十分な気がしてしまうところをさらに工夫しているのです。

そして、通常のメロディ部分に入るとトップ・シンバルに聞こえる音なのですが、たぶんハイハットを団扇をあおぐような感じで払いながらリズムを刻んでいると思います。
あとは小気味の良い短めのフィル・インをたたき込み強烈なリズムの完成です。ハイハットのオープン加減も曲の盛り上がりによって変化させていくのは隠し味効果が出ていると思います。ただ、このあと書きますが、その変化は録音時間が異なるものを継ぎ足したからだとも考えられるのですが・・・。
この曲のリンゴの貢献はたいしたものです。

それから、タイトルが「彼女がキミを好きだってさ」という歌詞なのに、夢中で歌っているところが面白いと思いました。「 I Love You 」だったら、逆に興ざめだったかも。

今回この記事を書くにあたって、再度聞き直したのですが、まずこの「パストマスターズ1」に入っているこの曲で1分23秒付近で妙なテープの繋ぎ目を発見しました。それは、その部分で明らかに別録音であるような音質の異なるバージョンが繋がれていると感じるものです。これは「ビートルズ1」他でも同様でした。
比較的、アメリカ・キャピトル盤はうまく誤魔化しているような感じでしたが・・・。
・・・ううん、今まで全然気がつかなかった。
しかも、繋がれた後ろの部分が音質が明らかに劣化しているようです。
ということは、何らかの事情でこれをくっつけるしかなかったのだと思います。ちょっと不思議です。
さらに、この曲のリアル・ステレオ・バージョンはこの世に存在しないのです。
ジョージ・マーチンがステレオ編集を行わないままになっていたのです。

ポールは、「発売された最初の週は、ビートルズ最悪の曲だな、と言われた」という発言を当時残しています。
ジョンは、「二人でいっしょに書いた。アイデアはポールだったと思う」と発言しています。

いずれにしても、英国、米国を完全制覇した時の代表曲です。最高のビートルズ・ソングだと思います。


〈追記〉2021/05/27

パスト・マスターズについては、2009年にリマスターがなされた時に「モノ・マスターズ」も製作され、また、後に「1・One」というアルバムもリミックスされて再発があり、二種類のバージョンが存在。音源が多くて大変です。
とりあえず本編で聞いた「《旧》パスト・マスターズ」以外の音をいろいろ聞いてみました。
下記をご覧ください、大変だったよぉ~ (・_・;

2009年・パスト・マスターズ(ステレオ)は、“ラフ”な感じで、楽器の音も割とまぜこぜで全体で固まってやってくる印象です。
途中の繋ぎ目は、かなりうまく修正して、あまりわからなくしています。

2009年・モノ・マスターズは、とても聞きやすい。
全体に落ち着いたトーンで貫かれ、ギター、ベース、ドラム、ボーカルそれぞれのバランスもベスト・マッチという感じ。
途中の繋ぎ目はそれとわかる感じでした。

アメリカ・キャピトル盤のステレオは、けっこう立体感のあるサウンド。
エコー、リバーブ等を使って奥行き感も出ている。
問題の繋ぎ目はあまり気にならない。

アメリカ・キャピトル盤のモノは、ステレオ盤同様迫力があります。こちらもエコー、リバーブ等で独特の味付けをしています。ステレオ盤ほどではありませんが。
途中の繋ぎ目はわかりました。気にはならない程度でした。

イギリスのオリジナル・モノ「ウィズ・ザ・ビートルズ」アナログ盤の音は、全体に音が太く、豊かな感じでした。迫力も素晴しい。
楽器の音は、分離も良く、艶やかです。
途中の繋ぎ目は、ややわかる程度でした。CD盤になってからとは異なる独特の音域が強調されたサウンドが今となってはとても魅力的です。

イギリスのオリジナル・モノのLP「オールディーズ」に入っているものは、とてもクリアで楽器等音の分離もかなり良いです。
そしてこちらは途中の繋ぎ目がはっきりとわかりました。でも、もともとの音がいいので気にならない程度に抑えられていました。

「1・One」に入っているものは、ギターのピッキングまでくっきりと聞こえ、ボーカルもコーラスもきれいな音で聞こえてきます。
やれることは全部やってみた、って感じがよくわかります。
バス・ドラムも迫力あるなぁ。
途中の繋ぎ目はほとんどわかりません。

「《旧》1・One (2000年バージョン)」は、上記よりもちょっと迫力が劣る感じ。
でも、ビートルズ現役当時にラジオで聞くならこの音の方が“感じ”が出ていると思います。
途中の繋ぎ目はけっこうはっきりとわかります。

というわけで、一気に聞いてみた感想を載せました。
音源が多いというのも楽しみではありますが、聞いててけっこう混乱しました(>_<)

 

« 現実はどんどん深刻化している。 | トップページ | 「ひきこもりグルメ紀行」を読んだ。 »

The Beatles 研究室・復刻版」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 現実はどんどん深刻化している。 | トップページ | 「ひきこもりグルメ紀行」を読んだ。 »

2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

最近のトラックバック