小林聡美さんの「ていだん」を読みました。
『ていだん/小林聡美(中公文庫)』を読みました。
鼎談(ていだん)って、三人が向かい合って話をすることだったんですね。いい歳こいて「鼎談」って、単に複数人で話をすることだと、ずっと勘違いしていました。
恥ずかしながら、今回のこの本を読んで初めて知ったのです…σ(^_^;)またひとつ大人の階段を上がりました。まだまだいっぱい“階段”が潜在しそうです。
というわけで、俳優の小林聡美さんが井上陽水さんから川上未映子さん、群ようこさん、酒井順子さん、柳家小三治さん、江戸家小猫さん、大貫妙子さん・・まだまだほかにもたくさんの方達と興味深い話をされているというものです。
笑ったのは、『芸は身を助けるか?』というテーマの鼎談の中で、小林さんが柳家小三治さんに向かって「結婚も、芸ですかね?」と、たずねるところです(^^;)
小三治さんは、「今、飲みかけたコーヒーを置いちゃったよ。ウーン・・・。ズバリ言いましょう。結婚も芸でしょうね!」っていうところです(*^_^*)
すかさず酒井順子さんが、「挫折することもあり・・。」と、見事な突っ込みd( ̄  ̄)
小三治さん「いや、その芸に挫折したという事実は、その後の生き方次第で、どれぐらい芸になるかわからないよね。」
小林さん「続けて行くのも芸なのかもしれませんしね。」
この話芸こそ名人芸かもしれません(^_^)
私自身の“結婚芸”は、・・・大道芸みたいなものでしょうか。ひとさまには、楽しく見せ、実は裏での芸道は非常に厳しいという・・(>_<)
長塚圭史さん、西加奈子さんとの鼎談では、ずっとスマホで何かを忙しく見ている人についてふれています。
バーチャルでいいもの見ても、実際、生じゃないと伝わらないものもある、という話になって行きます。
若者は一回、生のものを目の当たりにする緊張感を味わったほうがいい。そしたらネットの前にだら~っと座って軽々しく人の悪口なんか書けなくなると思いますよ・・と、結んでいます。
私も舞台での芝居、ミュージカル、ショーなどをたくさん見てきたのですが、まったくの同感です。
パソコン、テレビ、スマートフォンの画面を見てわかるものじゃあないんです。まぁ言ったってわかんないだろうけど。
ふたつばかり、エピソードをご紹介しましたが、小林さんがリードしていくこの「ていだん」は、実に面白くて、300ページを超える本なのですが、ほんとにあっという間に読み終えました。
いい本でした。
【Now Playing】 By Jupiter / Dave Brubeck ( Jazz )
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