「わたしの小さな古本屋/田中美穂」を読みました。
『わたしの小さな古本屋/田中美穂著(ちくま文庫)』を読みました。
著者の田中さんが、21歳のときにアルバイトを辞めさせられて、これからどうしようと思い、その日に古本屋をやろうと決め、物件を探し出し、倉敷の美観地区の外れに「蟲文庫」という古書店を開きます。
・・でも、この本を読むと、後に本人が書いた日記を見て「その日のうち」に決めたことを本人自身が驚いています。その日のことを忘れてしまうくらいな状態で行動したのでしょう。
古書店経営の知識も、しかも予算もほとんどないのに開店し、奮闘する著者の様子は、読んでいてどんどん引き込まれました。
そして、「人と人のつながり」というものがこの人の大切なキーワードになると思うのですが、思いもよらぬ人から声がかかり、音楽イベントなども狭い店内で開かれるようになったりします。
さらに、著者が偏愛する『苔(こけ)』も店内に並び(^_^;)、『苔』の本まで書くに至ります。
小さな古書店を一人の若い女性が始める話が、とてもおもしろくて豊かな物語になっていて、しかも著者の文体は、ゆるく、自然で、力が入っていなくて、読みやすくもあり、教訓じみた堅苦しさもない。
あっという間に読み終えました。
調べたら、蟲文庫は今も健在!
ツイッターも発見しましたので、フォロワーになりました(*^^*)
コロナ騒ぎがおさまったら、倉敷にぜひ行って蟲文庫を訪ねたいと思っています。
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