「水木しげるの不思議旅行」を読みました。
『水木しげるの不思議旅行/水木しげる著(中公文庫)』を読みました。
これもブックオフで発見したものです。
水木しげるさんといえば、「妖怪」ですが、この本は、水木さんの子どもの頃からその後漫画家となり出逢った人や出来事について、「これは妖怪の“しわざ”じゃないか」というものを取り上げたものになっています。
「たたりもっけ」という妖怪は、古い空き家に何者かがいるという気配がする・・その正体のようです。
たたりもっけがいると、その空き家に住むことになった人、家族は、事件、病気、離婚、不幸に巻き込まれるということで、水木さんが子供の頃に実際そういう家があって、ここで紹介された事例は次から次へと枚挙に暇がなく、怖ろしい限りでした。
また、漫画家になってからの水木さんのところに、あの“つげ義春”さんがアシスタントとして入ってくる話も書かれていました。
つげさん、「首のうえに頭がくっついているから、とても重たい」と水木さんに言い、苦しくて仕事ができないと主張する話が書かれていました。
動くことがイヤなつげさんは、サマーベッドを買ってきて、一日中まったく動かず、化石化し、あまりに動かないので、外からやってきた鳥がとまり、やがて巣をつくり始めたという・・怪人伝説も紹介されていました (・_・;
ほかに昔からの言い伝えの中に、これは宇宙人だったのでは?という昔話も書かれていましたが、妖怪っていうのは、ひょっとして宇宙人だったのかもしれない、それを昔の人は妖怪としてとらえていたのではないかという説もあげられていました。
それも言えるかもしれないですよね。
あと、死んだ人が蝶や、その他虫などになってやってきた水木さん自身の経験談も書かれていましたが、私もなぜか子供の頃に、お盆になると、玄関の表札のところに何年にも渡って見たこともないような色彩の蛾がとまっていたことがあって、子供心に「あれはだれかウチのご先祖さまじゃないのか」などと思っていたことを思い出しました。
あとは石仏など、昔道ばたに存在して苔むしていたものなどには、奇妙な力がやどっていたのではないか、という話も。
以前、土木関係の部署にいたときに、現場で掘り出した古い道標のような彫り物のある石を事務所の庭に設置したら、事務所内が奇怪な現象で大変なことになったことがありました。
そういう古い「石」で出来たものって、ぜったいに何かがやどっているというのは、私もそういう実感があります。
というわけで、文中のいくつかのエピソードについて書きましたが、まだまだ水木先生がもつ奇々怪々な話題は多く、この本は水木先生の絵も添えられているので、読み応えがあります。
何度も読んでみたくなる本でした。
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