「人はなぜ不倫をするのか/亀山早苗」を読みました。
『人はなぜ不倫をするのか/亀山早苗著(SB新書)』という本を読みました。
これは、フリーライターの著者、亀山早苗さんが、タイトルにある《不倫》について、行動遺伝学、動物行動学、昆虫学、ジェンダー研究、宗教学、性科学、心理学、脳研究のそれぞれ学者にインタビューしながら考えていくものでした。
この本の帯にも書かれているのですが、驚くべきというか、興味深いのは、どの学者も「不倫」を否定している人はひとりもいないのです。
動物学的にも、昆虫学的にもそれはなんとなくわかりそうですが、宗教学者もそう言っていて、そもそも現在ヨーロッパや、アメリカでも宗教から離脱する人の数がかなりの数にのぼっているようです。
宗教的な、戒律的な縛りからは人々はどんどん解放されているというのが現状みたいです。
じゃ、日本人はどうなのかっていうと、それこそ江戸時代まではむしろ性は解放されていて、お祭りの夜は誰といろんな関係(^^;)になってもよいだとか、夜這いの習慣もあちこちであったり、もっと昔は貴族だって、かなり男女とも自由で奔放な関係性が当たり前に存在していたようです。
それが、現在、実態はどういうことになっているかとは別に、芸能人が不倫報道されたときのバッシングはただ事ではありません。
そんなに叩いてどうするの、と思いますが、この本でもそれが取り上げられていた部分がありました。
学者の意見は・・「うらやましいんじゃないですか?!」(^_^;)ということでした。
そうかもしれないです。
だって、よその夫婦のことじゃないですか。
本人やその周囲の家族などが大騒ぎするならわかるけど、部外者がなぜそんなに怒っているのか、私には不明です。ほんとうは“うらやましい”んじゃないかというのは正解かもしれないです。
怒りまくっている部外者の一般の人、自分の夫婦仲はどうなっているのか、人もうらやむいい夫婦なんでしょうかね(^_^)
とにかくいろいろな学者がその立場から意見を述べているのですが、結局のところ、男は自分の子孫をどんどんつくりたいから、あちこちに手を出したい、女は、少しでもいい遺伝子を残したいから妥協で結婚した男…σ(^_^;)のほかに、別の“いい遺伝子”を残したい、また究極的には、人という種を残していきたいから繁殖はもっとも大事ということで、それらを総合的に考えれば「不倫」という人間が後付けで考え出した規律のようなものなど、ほとんど意味をなさない・・とうことなのです。
元も子もない話ですけど(^_^;)
「おひとりさまの最期」の著書などで有名なジェンダー研究の上野千鶴子さんも登場しますが、あの人らしい強烈なひと言も載っていました。
『人はなぜ不倫をしないのかのほうが不思議です。その前段階として、人はなぜ結婚という守れない約束をするのか、がもっと不思議』
・・これに尽きると思いますd( ̄  ̄)
« 【「東京でも揺れた大震災当日」のお話/過去に会った人、過去にあった出来事について振り返る №20】 | トップページ | 池井戸潤さんの「銀行仕置人」を読みました。 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 古本の頁を繰っていて見つけるもの(2022.01.23)
- 中学生時代から今に至るまで、「レコード盤を貸してくれ」「CDを貸してくれ」「本を貸してくれ」と言われる話。(2021.12.21)
- 「日本人も知らなかったニッポン/桐谷エリザベス」を読みました。(2021.10.03)
- 「小林信彦 萩本欽一 ふたりの笑タイム -名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏-」を読みました。(2021.09.28)
- 坪内祐三の「最後の人声天語」を読んだ。(2021.09.25)
「恋愛」カテゴリの記事
- 伊集院静さんの「女と男の絶妙な話。-悩むが花-」を読みました。(2022.07.13)
- 映画「瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと」を見て来ました。(2022.05.28)
- 半年ぶりに映画を見て来ました『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』(2022.05.18)
- 矢川澄子さんの「妹たちへ」というエッセイ集を読みました。(2022.01.29)
- 瀬戸内寂聴さんの訃報に接し、知ったこと(2021.11.13)
「家族・親子」カテゴリの記事
- 伊集院静さんの「女と男の絶妙な話。-悩むが花-」を読みました。(2022.07.13)
- 映画「シング・ア・ソング! -笑顔を咲かす歌声-」を見て来ました。(2022.05.22)
- 「強父論/阿川佐和子」を読みました。(2022.04.30)
- サヘル・ローズさんの「言葉の花束」を読みました。(2022.04.19)
- 「食べごしらえ おままごと/石牟礼道子」を読みました。(2022.04.04)
« 【「東京でも揺れた大震災当日」のお話/過去に会った人、過去にあった出来事について振り返る №20】 | トップページ | 池井戸潤さんの「銀行仕置人」を読みました。 »
コメント