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2021/08/20

【「学校の耐震補強と大規模改造担当だった時期」のお話/過去に会った人、過去にあった出来事について振り返る №23】

過去に会った人、あった出来事についての回顧文シリーズ。

もう20年以上前になりますが、阪神淡路大震災後に小中高校の耐震工事を始めることになり、開始初年に担当者として異動することになったときのお話です。
年間15校を工事(本体・電気・機械設備さらに学校まるごと仮設校舎を建てて引っ越しもさせる)、さらに二年後のために15校の補強計画策定、翌年のための15校の実施設計が一年間で行う仕事でした。
それを一人で担当するという・・地獄のような仕事でした。帰りは夜11時に職場を出れば、かなり早い帰宅という感じでした。
おかげで、異動後3か月で20キロ体重が減りました。

その耐震補強工事対象校が築後25年を経過していた場合は大規模改造といって、大幅な改修工事も併せて行っていました。それも私の担当。

はっきり言って“悲嘆にくれた”という状況でしたが、珍しく「自分のやったことが形に残る」という仕事だったので、何か自分らしい痕跡を残してみようと、気力を振り絞ってやったことがあります。

それは、校舎は“ヨウカン”のように横長の建物で、ふつうその真ん中当りに階段があり、各階階段を上がったところにトイレがあり、廊下を挟んでトイレの向かい側の教室は廊下側から光が入らず、暗くなってしまうことに気付いたところから始まりました。

 

 

20210818_school_001
そのときの写真が残っていたのですが、その小学校は生徒が減ってきて教室に余剰が出来ていたので、先生と話し合い、思い切って各階トイレ向かいの教室の廊下側の壁を取り払い、明かりを入れ、ちょっと素敵なアーチ状の入り口を設け、とても明るい多目的室に作り替えました。
そして、トイレからも、ガラスブロックなどを用いて光が入ってくるようにしました。
一枚目がその多目的室から廊下を挟んだ明るいトイレ側を見た写真です。
20210818_school_002
二枚目はその多目的室の様子。カーペットを敷き、寝転がれるようにしたり、生徒が周囲の造り付けの木製椅子に並んで座り、何か発表を聞けるようにしたりもしてみました。
20210818_school_003
三枚目は同じ多目的室ですが、これは床をコルクにして、遊び回ったりできるような部屋にしてみました。
他にも木製の床の部屋も造りました。
20210818_school_004
次の写真は同じくトイレなのですが、これは校舎の一番端にトイレがあったケースです。こちらもトイレ前を大きく改修して明かりが入るようにし、トイレ前には木製の椅子状のものを造り、腰掛けたり、バッグを置いたりできるようにして、さらにトイレの壁をガラスブロックにしてトイレ内に明かりが入るようにしました。
20210818_school_005
こちらが上記トイレ内(女子トイレなのでちょっと淡くて可愛い色調)です。明るいでしょう。
鏡も普通のものでなく、ホテルなどで使う仕様ものにして、さらに間接照明、生徒にも使うときのちょっとしたうれしさを感じるようにしてみました。
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これは中学校で、トイレ入り口部を家の形のような意匠にして、さらに生徒に描いてもらった絵を焼物にして、入り口上部にはめ込み、工事の思い出にしてもらいました。
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これは、その中学校のトイレ(男子)の内部から入り口を見た写真で、ブルーで明るく、奥にあるスリットは、昇降口側から内部の様子がすこしわかるようにしてあります。トイレ内で暴力沙汰があった話を先生から聞いたので、内部を明るく、そして外からなんとなく様子がわかるようにしてみたのです。
内部にはスポーツバッグなども置けるような椅子状のものも造りました。
身だしなみをたしかめる大きな姿見の鏡も設置してみました。
20210818_school_008

最後のこの写真は、生徒減少により昇降口の広さや下駄箱も不要なものが出ていたので、補強壁を設けると共に、生徒が身支度できるような大きな椅子状のものを造りました。
これも生徒には好評でした。
ここでいろいろ話をしている生徒もいました。

担当時、進捗状況を確認に学校に伺うと、教頭先生が「ここはこんなふうに出来上がりましたよ。すごいでしょう!!」と大喜び、笑顔ではねるように私の手を引き、説明してくれたのですが、私が担当なので、もう知っているのですが、「〇〇さん、見てください、ここ、素敵でしょう」なんて言われながら各階を一緒に回っていると、私は涙がぼろぼろ、ぼろぼろ床に落ちるほど泣いてしまいました。

こんなに喜んでもらっているんだ。がんばって、ほんとうに良かったと思ったのです。
見ると、トイレ内の床は、ホテルのもののようにドライで造ったので、生徒達は床にひざをついて、雑巾がけして掃除しているのです。

「きれいだから、みんなああやって掃除しているんですよ」と、教頭先生に言われて、また泣き出してしまいました。

仕事は死ぬほどつらかったけど、人生の中ではいい想い出になりました。
私と工事前に学校で困っていることなど、真剣に話していただいた先生方に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
素敵な先生との出会いが、この工事内容になったのだと思います。
そして、生徒達も私とすれちがうたびに、「こんにちは!」とみなさん挨拶してくれました。
いい先生のいる学校には、素敵な生徒がたくさんいました。

 

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