「ペギーの居酒屋/喜多嶋隆」を読みました。
喜多嶋さんの小説を読むのは、たぶん初めてです。
物語は、ハワイで母娘で生活していたペギーという女性が苦労して大学を卒業し、日本に大手広告代理店の支店が出来て、それに応募して父アメリカ、母日本の娘なので(父事故で他界)、日本語もできると採用された・・。
でも、マーケティング調査の数字を都合の良いように“改ざん”させる上司と折り合いが悪くなり、2年で辞めてしまうのでした。
会社で荷物の整理をし、地下鉄に乗るときにいつもと反対の方向に乗ってみて、千駄木に降り立った。
そこで入ったつぶれそうな居酒屋で出逢った店主や、町の人たちとの物語になりました。
結局、ペギーはその居酒屋で働くこととなり、さまざまな人との関わり合いの中で人として大切なものをどんどん見つけていきます。
勇気のでるお話でした。
さらに、ペギーの母親が家出同然でハワイに行ったきり、その父母とは29年も会っていないという事実があり、ペギーは鎌倉にある母の実家に行ってみるのです。
そこからは、また静かな感動のお話が繰り広げられます。
久しぶりに心が洗われるようないい小説でした。
ちょっと泣いてしまいました。
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