「大衆食堂に行こう・東海林さだお」を読みました。
『大衆食堂に行こう/東海林さだお著(だいわ文庫)』を読みました。
これは著者、東海林さんの「ショージ君のにっぽん拝見」「男の分別学」「そうだ、ローカル線、ソースカツ丼」に連載されたエッセイや対談を再編集したアンソロジーとなっているそうです。
いつも東海林さんの本を読むと、「どうでもいいことに“こだわり過ぎ”」と途中から思ってしまい、だんだんイヤになってくることがあったのですが、今回は再編集されたものだからか、飽きずに読み切りました(^_^)
今回は、大衆食堂でのお話がメインなのですが、これによく似たものとして「定食食堂」と「駅前食堂」があると、冒頭に書かれていて、今まで自分はあまり区別していなかったなあ、と思いました。
大衆食堂では、定食のほかカツ丼やカレーライス、スパゲティもある、と懐が広いところを見せていて、私もその「なんでもあるぞ」的なところがいいなと思います。
駅前食堂は、もちろん駅前にあるわけですが、ここは急ぎ電車に乗ったりするのでパパッと食べられるというのと、子ども連れだったりすることもあるので、割とポピュラーなメニューが多いということもあげられると思います。
午後の一時過ぎに出掛けて、昼の一番忙しい時間帯を外して、すこしまったりした店内の様子を実況するところは東海林さんの“真骨頂”です。
おやじの“やる気”があるのか様子を探ったり、“いいかげん”に作ったりしないかスポーツ新聞を見るふりをして観察したり、店主の奥さんであろう“おばちゃん”の動きをつぶさに見たり(^_^;)・・まあ、よく見ていますよ、東海林さん。
定食としてあるべきメニューや、提供されたときの“たたずまい”にもこだわるのが東海林さん。
楽しく読ませてもらいました。
定食評論家を名乗る「今柊二(こん・とうじ)」さんとの対談も面白く、その中で東海林さんにはいまだ未知の世界、京都の定食屋の話題が出てくると、そのあと、すかさず京都に出掛けています。
定食を食べるためだけに、わざわざ京都に行くというのもすごい話ですが、実は私も YouTube で京都限定で食べ物屋さんを巡るものを見ていたときに、定食屋の素晴らしさをうっすら感じていました。
今回の京都旅では、まだまだ奥深いところまでは突き詰められていませんでしたが、今後の東海林さんの動向に注目しつつ、私もいろいろ調べてみようと思いました。
現在は、コロナ過で、なかなか私自身も探求できない大衆食堂、定食屋の世界ですが、身近なものでもあり、騒動が収まったら、あちこち行ってみたいと思います。
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