「小林信彦 萩本欽一 ふたりの笑タイム -名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏-」を読みました。
『小林信彦 萩本欽一 ふたりの笑タイム -名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏-/小林信彦・萩本欽一(集英社文庫)』を読みました。
けっこう読み応えというか、対談形式なので聞き応えがあるという感じでした。
小林信彦さんは、雑誌編集長から作家、コラムニストとなり活躍。喜劇関係のテレビ番組や喜劇人にも多く関わってこられた方です。
萩本欽一さんは、言わずと知れた「コント55号」での爆発的な人気から、その後多くの高視聴率テレビ番組を作られた人、“欽ちゃん”です。
対談は、コント55号が日劇に出ていた頃の、小林さんが一番面白がっていた時期のエピソードなどから始まりました。
私は、もちろんテレビ番組に出始めた頃の55号しか知らないわけですが、それでも爆発的な人気と炸裂するギャグは今でも強く印象に残っています。
この本を読んでいると、欽ちゃんは“真面目”で“勉強家”で“どん欲”です。
対談相手の小林信彦さんのところにも、人気テレビ番組を作っている現場が見たくて、製作関係者が集まっている場所にお願いして、その“作り方”を熱心に観察している姿が書かれていました。
アメリカのショーが面白いと聞けば、ブロードウェイに飛び、舞台上の全てを吸収しようとします。そして向こうのテレビ番組がどういう構成なのかも参考にしています。
この本に書かれていませんでしたが、ピンマイクを作らせ、初めて日本で使ったのは、たしか欽ちゃんではなかったかと思います。
舞台、テレビ番組を面白くするためには、どんどん試行錯誤を繰り返す、その姿勢があの隆盛をもたらしたのではないかと思いました。
エノケン、ロッパ、ターキー、渥美清、森繁久弥、由利徹、東八郎(トリオ・スカイライン)、てんぷくトリオ、トリオ・ザ・パンチらの話題も盛りだくさんで出て来ました。
私のまったく知らなかった話ばかりだし、浅草から出て来た芸人達のその時の様子や、どな人だったのか、また欽ちゃんが直接かかわった人達と、どう接していたのか、また、小林氏が見た昭和の喜劇についての話は聞き処がいっぱいでした。
この本も、あっという間に読み終えました。
欽ちゃんの「笑い」や「舞台」に対する真剣な取り組み、「先輩達から学ぼうとする気持ち」がヒシヒシと伝わってくる本でした。
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