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2021/09/11

【虎の毛皮の上に正座させられた話/過去に会った人、過去にあった出来事について振り返る №39】

20210907_tiger_001

過去に会った人、あった出来事についての回顧文シリーズ。
またまたお話はさかのぼって、私が初めて仕事に就いた新人の年の話です。

土木部にいて、ガス・水道管などの道路占用許可の担当になりました。
ある日、自分の課で許可した個人宅の水道管引き込み工事について苦情の電話がありました。

苦情主:「いったい誰に断って工事をやってるんだ!」とたいそうお怒りの様子。

警察の許可も出て、指示通りに現地案内看板を置き、誘導員も付き、自治会長の承諾も得ているのですが、自分のところに挨拶がないと・・。
工事の場所もその人の家からは離れています。

先輩に相談したら、「とりあえず現地に行って、その人と話をしよう。」
ということになり、安全に指示通り工事をしている現地を確認したのち、電話をいただいた人のお宅へ。

でかいっ!敷地が広くて街区の一区画まるごとその人の家と庭でした。
庭はまるで公園のよう。ブランコ、鉄棒、砂場などもありました。

ピンポーンとベルを押すと出て来たのは、・・あきらかに“そのスジ”の大親分という感じの方でした (・_・;60代後半から70代前半くらいか。

苦情主:「この街一帯で工事をするときには、まず俺に挨拶だろう。どういうことだっ!」「家に上がれっ」

このとき家に上がらねば良かったのですが、先輩は「上がろう」と言い、応接間に入りました。

そこには、映画などのセットでしか見たことのない、あの『虎の首のついた毛皮』が敷かれていて、私は何かテレビの“どっきり企画”か何かだと思い、あわててテレビカメラを探しましたが、どうやらそんなものは無い。

苦情主:「そこに座れっ。正座して反省しろ。」

・・ということになり、正座すること二時間。ずぅ~っとその間、私達をただ黙って睨み付けているわけです。・・生きて帰れるんだろうか・・。

そこに、小さな子を抱いた若くてきれいな女性が入ってきました。
女性:「もうゆるしてあげたら? この人たちもお仕事があるんだから。」

苦情主:「あなたがそういうなら、今日だけは許してやるか。お前ら二度とこんな不始末起こすんじゃないぞ。」
と、解放してくれました。

家を出ると、さっきの若い女性が「ごくろうさま」と声を掛けてくれました。
ここはたぶん別宅だったのかもしれません。怒られている時に「俺の家が〇〇町にあるのは知っているか」と、聞いてきたので。

命からがら課に戻ると、もう一人の先輩もお風呂屋さんに呼ばれ、前の道路工事で振動がひどくタイルが割れたらどうすると叱られ、大浴場にフタがしてあったそうですが、そのフタの上に正座させられ、一時間「よくこの振動を味わえ」とやられたそうです( ̄O ̄;)

「なんだ、お互いに似たようなことになったな」と泣き笑いの三人でした(T_T)

 

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