坪内祐三の「最後の人声天語」を読んだ。
『最後の人声天語/坪内祐三著(文春新書)』を読みました。
著者、坪内祐三さんは昨年1月に亡くなられています。
世代的にも私と同じ方だと思うのですが、同じことにも興味を同時期に持ったりしていて、共感もするが、でも・・知識量というか、読書量というか、興味のアンテナの張り方がほぼ全方位に向いていて、何もかもが圧倒的な人です。
そして、“歯に衣着せぬ”ぐいぐいと行く筆致は、ただもう茫然と見守るのみ、という感じです( ̄O ̄;)
子どもの頃に雑誌「大相撲」を読んでいたりするのも似ています。
この本の中でも二度目の相撲ブームを迎えたようで、その時の相撲界の話題にふれられています。あまりに本気なので、私は二度目の相撲ブームが来なかったため“どん引き”しました。
永井荷風が最晩年に毎日のように通い、判で押したようにカツ丼ばかり食べていた京成八幡駅近くの「大黒家」に行き、荷風にお酌していた女将と話しをしたりいている場面もありました。
私も、大黒家に行き、「荷風セット」を頼んだことがあります。
カツ丼に漬物、味噌汁、お銚子が一本ついていましたっけ。
外国映画の俳優についても書かれていましたし、日本の俳優、鶴田浩二や渡瀬恒彦などについても書かれていて(選択が渋い)、映画についても造詣が深い。
かと思うと、「ウルトラQ」や「快獣ブースカ」にも詳しくふれています。こういうところもまさに私と興味・共感が一致しておりました。
とにかく、書きっぷりが軽快かつ、パンチが効いていて読みやすい、坪内さんらしいご著書でした。
亡くなる数日前に相撲のチケットをもらい、一緒に行く日が告別式になってしまった中野翠さんが最後に送る言葉を書かれていました。
あっという間に逝ってしまったという感じの坪内さん、今後また著書を読んでみたいと思っています。
その際には、またこのブログで読後感を書きたいと思います。
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