北山修さんの「帰れないヨッパライたちへ -生きるための深層心理学-」を読みました。
『帰れないヨッパライたちへ -生きるための深層心理学-/きたやまおさむ著(NHK出版新書)』という本を読みました。
これまたブックオフにて超安価購入!
タイトルの「帰れないヨッパライ」というのは、もちろん北山さんがいたザ・フォーク・クルセダーズのヒット曲「帰って来たヨッパライ」から持って来たもので、歌の中で、天国からたたき落とされた私が畑のど真ん中で目が覚め、大地の上で生きなければならない境遇になったわけですが、“帰れなくなっちゃった”人、この本では深層心理学上の父母が歌の中の神様のような形で説明されているのですが、ようするに父母から心理学上離れられなくなった人にについて書かれているのでした。
でもねぇ、読んでいてとても難しかった・・。
割と“やわらかめ”の本かと思って手に取ったのですが、読んで見ると深層心理学そのものの本という感じでした。
例示されているケースなども心理学を学問上習っている人だったら、「なるほど」となるような形で書かれているのですが、私にはよくよく考え、想像してみないとわからないし、よくよく考えてもわからないことばかり書かれていました。
私の理解力がないことが最大の原因かと思いますが、“読み切れなかった”というのが正直なところです。
この本の中では、自分は「嫉妬」の中で生きていて、なおかつ自分も人から「嫉妬」されることに怖れを感じている心理について書かれていて、突き詰めていくと、「自己敗北」型人生を選ぶようなことになる人ばかりになってしまう、ということが書かれていたと思います。
だから、予め負けておくと嫉妬されず、心理的に楽、・・だからそれを続けて負け癖がついてしまうとも言っています。
「嫉妬」というものは、破壊的になる可能性もあるが、欲しいものを手に入れようとするための努力が生まれ、それが自分の成長や繁栄につながることもある・・と。
でも、逆に努力の過程では、汚いものに手をつけないで、綺麗なまま偉くなろう、強くなろうとする者が出てくる・・(今、こういう人ばかり)。
若者が留学をせず、人々が次第に外に出なくなって、全体的に引きこもり傾向が強くなってくるのは、上記のようなことが原因なのかも・・ということなんです。
一部のものだけが外部に出て勝負し、残りの大量の人たちは内側にとどまり、ドングリの背比べをしているようだとおっしゃっていますが、まさに今の日本の状態ではないでしょうか。
手に取ったときの印象よりも、実際に読んで見るとかなり“重い”内容の本でした。
またいつか読み返すと、今回とは異なったものが導き出されるような気もします。
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