瀬戸内寂聴さんとドナルド・キーンさんの対談本を読みました。
『日本を、信じる/瀬戸内寂聴、ドナルド・キーン(中公文庫)』を読みました。
この本は、寂聴さんが11月9日に亡くなられる前に既に買ってあったものでした。
そしてドナルド・キーンさんも一昨年に亡くなられています。
内容は、お二人の対談で、2012年に刊行され、2015年に文庫化されたものです。
お二人とも東日本大震災のことにふれていましたが、寂聴さんは身体をこわして震災が起こった時には現地に赴くことはできませんでしたが、その後半年経ってなんとか身体が動くようになり現地入りしていました。
そのときに大変な状態になっていた現場の様子と、被災した人達とも会っていて、多くのものを失い、家族も失った中でもなんとか生きて、立ち直ろうとする人達のことを話されていました。そして日本を、日本人を“信じる”とおっしゃっています。
寂聴さんにとっての人生最初の衝撃的なことは戦争だったわけですが、それに次ぐものであったとおっしゃっています。
あの戦争の焼け野原からの人々の立ち直り、頑張りも見て来て、きっと今回の被災についても日本なら、日本人なら、やがては立ち直る・・その頃自分は復興した現地や人達を見ることは年齢的に出来ないだろうけど・・と。
キーンさんも、よその国なら、あれほどの災害があったときには、略奪その他の行為があるだろうに、日本人の態度は世界が見て立派だったとおっしゃっています。
そして、実に静かに人々が協力しながら生活し、立ち直ろうとしている姿を見て、大きな感動を得たようです。
丁度、震災後、期を一にしてキーンさんは帰化し、日本人になっています。
日本文学を愛し、日本人を愛しているキーンさんと寂聴さんの対談は、まるで目の前で話されているかのように次々と話の花が咲いているようでした。
お二人はこの時点で90歳になろうとしていますが、頭の中はとてもクリアで、生き生きとしているのが感じられました。
そして、お二人とも「ゆっくりと老後を過そうかな、なんて思っていたけど、忙しくて忙しくて寝る間もないくらいだ」とおっしゃっています。
“やること”がいっぱいなんですd(^_^o)
お二人が長生きした秘訣は、これなんじゃないでしょうか。
やりたいとことがいっぱい!忙しくて“死んでいる”場合じゃないっ!!(^^;)
・・私もすこし見習います(^_^;)
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