仏映画「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」を見ました。
映画『ダ・ヴィンチは誰に微笑む(The Savior For Sale)/2021年 フランス 監督:アントワーヌ・ヴィトキーヌ ※ノンフィクション』を見て来ました。
名も無き競売会社のカタログに掲載された絵を見て「もしかしたら」と閃いたニューヨークの美術商が日本円にして13万円で落札したことが発端となる映画で、しかもドキュメンタリー。
その後ロンドンのナショナル・ギャラリーに接触し、専門家の鑑定を得たギャラリーがその絵を「ダ・ヴィンチ」の作品として展示。
そこからこの絵に群がる人達・・。
ダ・ヴィンチの最後の作品、“男性版モナ・リザ”だ、なんて言う人達も現われ、遂に・・オークションで510億円で落札されることになるが、その後も様々な人がダ・ヴィンチの弟子の作品だなどと言い出したり、ルーブル美術館まで巻き込んだ騒動となり、最後まで『謎』は深まるばかり、という混沌としたドキュメンタリー作品でした。
「アート界の闇を暴く!」なんて、ポスターにも書かれていましたが、ほんとうに欲望まみれのミステリー・フィクションでした。
私もよくニュースなどで絵画のオークションのシーンを見たことがありますが、あの異常な金額での落札、いつも「いったいどんな人が買うのか」と思います。
きっとそれは美術作品としての魅力だけではないんでしょうね。
依頼主からの電話を常に耳に当てながら、どんどん競り上げていく様は、「異様」としか貧乏人の私には見えませんが、あの世界にいる人達はその時が人生至福の時なのかもしれません。
あらためて、名画に群がる“魑魅魍魎”の姿を再認識しました。
とにかく、この映画の中では、様々な立場の人達が“もっとも”なことを言いながら登場してきて、名画やお金に蛾のように引きつけられて集まる人間を観察しているだけでも面白い映画でした。
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