どうやって登っても山頂の風景は同じ?という話
写真は、以前私が御嶽山に登ったときの山頂からの光景です。
ラジオで聞いたエピソードなんですけど、その番組DJの人が友達から言われた話です。
「苦労して登山し、到着した山頂の光景は最高だった」と言ったら、相手から「ヘリコプターで行っても、登山して行っても、山頂という場所は一緒です。だからどういうふうに登ろうと、見える風景はまったく変わりありません。感動の量は同じだからヘリコプターで行くのが一番」と言われたというのです(^_^;)
そのDJの人は、「俺、嫌われているのかな」と言っていましたが、いやいやそんなこと言う人はけっこういますよ。
私もいろいろそんな経験をしていますが、「落語は、噺のストーリーを知ればそれで良いので、一回聞いた話はもう聞く必要はない」と職場の者に言われたことがあります。
同じく、「舞台で行われている芝居は、テレビなどで見ればそれでよく、わざわざ劇場などに行く必要もない。ましてや一度見ればどんなストーリーがわかったので、二度行く必要など毛頭無い。」というありがたい職場の方のお言葉でした。
演者により、また観客のその日の反応により、舞台は大きく内容が変わります。
また、観ているこちらにもその場の雰囲気が大きく心理に影響を与えます。
舞台の魅力って、まさにそんなところだと私は思います。
現に、同じ芝居やミュージカルなどを何度か観ると、物語の解釈自体まで変化していることもあるし、“小屋に幽閉されて、録画などのように一時停止してトイレに行ったり、何か食べたりということもなく、目の前の舞台と対峙するということの貴重さ、大切さを感じるのです。
「山頂の光景は同じだ」と言った人には、たぶんこれからもずっとわからないことだと思いますけど。
電子書籍についても似たようなことがあるかもしれません。
電子書籍でも、紙の本でも書いてあることは同じという人がいます。
でも、実際によく本を読む人にはわかると思いますが、紙で読んだときの“読書進行感”や、“記憶の残り方”は電子書籍には無いものです。それは私もやってみて実感したところです。
小学生の教科書がタブレット端末になったところもあるようですが、生徒の覚えが悪くなってしまった、という事実もあるようです。ニュースなどで見聞きしました。
また、アマゾンではなく、本屋さんに行って書棚を巡っている時に出会う思いがけない本との出会いもあるのです。
「現にそこに行く」っていうのは、やはり大事だ。という私が思ったことを、あらためて書いてみました。
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