本気で人生相談に応える「哲学の先生と人生の話をしよう」を読みました。
『哲学の先生と人生の話をしよう/國分功一郎(朝日文庫)』という本を読みました。
この本は、2012年から2013年まで、宇野常寛さんという方が編集されている週刊・メールマガジンで連載されていた人生相談をまとめたものだそうです。
相談にのるのは、哲学者の國分功一郎さんです。
相談の内容と先生の回答を書いても個々のケースについて考察することになってしまうので、ここは素直に私がこの本を読んだ感想を書きます。
先生が相談に応えている文章は“本気”でした。
よくあるテレビ、ラジオ、新聞の人生相談では、視聴者、リスナー、読者の大多数の気持ちや考え方を意識した回答になるわけですが、ここでは先生が専門の「哲学」を中心に置いて、自らの考え方で文章の長さも“まちまち”に、時にはバサッと短文で一刀両断に、あるときは先生自身も考えながら、迷いながら長文で回答しています。
つまり“おざなり”に一般的な回答をしているわけではなくて、また形式的に整えて回答しているわけでもないのです。
そして、さらに相談者がどういう人なのかという洞察力も並外れているのです。
質問文中にある“些細な”表現も見逃さないのです。
「あなたは、質問の中で〇〇という言葉を使っていますね。それは“これこれこういうこと”を隠しているからではないですか。」などと、読んでいるこちらには「あっ、そういうことか、なるほど」と、あらためて驚くことが多々あるのでした。
質問していること自体が「自慢」しているんじゃないのか?!などという回答もありました。
そしてよくラジオで「テレフォン人生相談」を聞く私…σ(^_^;)ですが、人にとって誰かに相談するということは、大きな意味があるのだと、あらためて気づかされることになりました。
さらに、人の相談に乗ることも大変重要なことであるということも・・。
この本に載っている相談と回答は、どれもこれも強烈なものばかりですが、私自身の生き方にとってもヒントとなるものがいくつもありました。
いい本を見つけることが出来ました。
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