「東京日和」荒木陽子+経惟 を読みました。
『東京日和/荒木陽子+経惟(筑摩書房)』を読みました。
1993年1月初版発行されたもので、2800円の本ですが、ブックオフで見つけ、370円で手に入れました。
アラーキーこと荒木経惟さんの奥さん、陽子さんが1989年から1990年にかけて、「思想の科学」と「ON THE LINE」に執筆した文章と(そこには陽子さんが自らの病状を知ってショックを受けている様子も書かれていた)、夫の経惟さんが撮った写真、さらに経惟さんの亡くなった陽子さんへの思いや、ふと思い出す過去の想い出などのメモも添えられていました。
アラーキーさんご夫妻は、陽子さんの文にもありましたが、機嫌を悪くしたり、仲良くなったりの繰り返しをしつつ、夫婦としてとても良い時間を過していたことがわかりました。
これって、二人だけにしかわからないものだと思いますが、でも仲良く月島に行ったり、銀座に行ったり、谷中に行ったりする様子を読んでいて、私も心なごみました。
そして、陽子さんが亡くなられたあとの、アラーキーさんの家の屋上の廃れ具合の中に二人が飼っていた猫、チロがいる写真などを見ると、胸が痛くなったりすることもありました。
写真というものは、文章のように細々としたことを言い表しませんが、でも、心の内部にある何かを訴えかけてきます。そんな本でした。
自分もブログでこのような文を書き、インスタグラムなどで自ら撮った写真をアップしたりしていますが、今までより以上に丁寧に書き、撮っていこうとあらためて思いました。
そこに残るものは、やはり多くを語り、表現しようとしているのだと実感したからです。
しみじみと読了しました。
陽子さんが亡くなられてから、もう三十年以上が経ちます。
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