「ま、いっか。/浅田次郎」を読みました。
『ま、いっか。/浅田次郎著(集英社)』という本を読みました。
定価1,400円プラス税でしたが、ブックオフにて370円にて購入(^^;)
2004年から2008年に「MAQUIA」に連載された「男の視線」に、単行本未収録のエッセイも加えたものだそうです。
浅田さんの海外旅行での“コツ”みたいなものや、好きなホテル、リゾートでの過ごし方などが書かれていましたが、私にはほとんど知らない世界で、それにはあまり突っ込んで興味は持ちませんでした。
ただ、作家としてのモノの考え方、人の見方、居住まいの正し方などは興味深く読みました。
浅田さんは、元アパレル会社で働いていたとのことで、私がよく読むような作家の方とはだいぶ異なった感覚の方で、それが妙に面白かった。
“これは”と思いつつ読んだところは、愛情なり友情なり、およそ感情の濃淡にかかわらず、ずっと手をつないでいる人と、袂(たもと)を分ってしまう人がいるのは、いったいどうしたわけなのだろう、と氏が考えていた部分でした。
運や縁などというものではなく、案外自分が忌避したか、あるいはその逆であるかのどちらかであるらしいぞ、と書かれていました。
恋人でいうなら、「何だか冷めちゃった」。
友人の場合なら、「何だかつまらなくなっちゃった」
ということではないかと・・(^_^;)
自分もしくは相手がたぶんそう考えた結果、お互いに流るる雲のごとく過去の人となってしまった・・と、おっしゃっています。
人間は、過去の経験をなきものと決めつけることができる唯一の生き物であるから、五十の甲羅を経て晩夏の庭に佇むまで、別れた人の記憶に苛(さいな)まれることはほとんどない、と結論付けられていました。
これは私に当てはめてみたのですが、“何だか冷めちゃって”永遠のお別れになるというようなことは無かったなぁ・・ (・_・;
また、別れた人の記憶に苛まれることの方が多かったように思います。夢にまで見たことも幾度かあります…σ(^_^;)
浅田さんの独特の感覚を味わいつつ読み終えました。
また、あらたな人の考え方、感じ方を知ったという読後感です。
次は、珍しく、漫画を読もうかと思っています。
水木しげるさんの「悪魔くん千年王国」です。かつてテレビでやっていた「悪魔くん」とはおそろしく異なる世界が表現されているようなので、楽しみにしています。
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