【それをやれるって言うのがお前の仕事だろ・・という人/過去に会った人、過去にあった出来事について振り返る №68】
24日の新聞に出ていた記事に、三菱電機の経営陣に対し、外部専門家の検証報告が出て「極めて重い経営責任を負う」とされ、厳しく経営陣の隠蔽体質を指摘していました。
鉄道関連製品などの品質不正問題が長きに渡って発生していたのに、要するに隠蔽体質の最たる経営陣により代々発覚を防ぐため口裏合せをしてきたのだそうです。
検査結果を偽造するプログラムまで作って代々使っていた・・(T_T)んだそうですよ。
若い社員が「これはさすがにまずい」と思い、自分には出来ないというようなことを言うと、管理職が叱責していたそうです (・_・;「これくらいやれないのか、仕事が出来ないヤツだな」と。
「仕事が出来ない」のは、この上司です。
私も同様の経験をしたことがあります。
情報部門にいたときに5年ほど経過していた社内ネットワークの再構築をすることになり、私がその隊長でした。
そのときの上司から「こういうふうに複雑になっている現行のネットワークを“これこれこういうふうに”統合しろ」という命を受けましたが、話を聞き、自分で図にして何度も自分の知識・経験にその方法を問いただしてみましたが、そんなことしたら個人情報がハッキングにより洩れてしまうのは目に見えていました。
IT大手十数社にも正式に招聘して資料を提示し、意見を聞いてみましたが、どこも「考えられない。どうやってもこの方法ではデータを保護することは出来ない」という結論でした。私の考え方は間違っていないと確信を得て上司に相談。
「この方法ではなく、別の方法について検討したい」と。
そうしたら、明らかにイライラしているのがわかりましたが・・
「それを“出来る”と言い切るのがお前の仕事だろ!」と、にべもない・・。
私から「今のままで実行して、事故が発生しなければ大きな予算節約・削減に大いに貢献することになると思いますけど、いつか事故は発生すると思います。もし、そうなったら“私”が責任者だと言うんじゃないんですか。うまくいったら自分のおかげ。失敗したら私のせいになるということですか。」
と、真っ正面から言ったら黙ってしまいました。図星だったのです。
その後上司は異動で別の人に変り、新しい上司は私のやり方を認めてくれて事業は成功しました。
が、前にも書きましたが、上司の引き継ぎのとき、私のことを前の上司は「言葉も満足にしゃべれない状態の廃人同然の人間だから話なんかしなくていい」と引き継いでいたことを後々に知ることになりました。
意向調査も面接も私にはしてくれなかったその人は、私が職場で苦しみ、心療内科に通い、死ぬ思いでネットワークを再構築したことなどまったく知らぬまま異動して行ったのでした。
でも、今現在、仕事も辞めた状態で思い返しても、仕事的にはその後はずっと底辺にいることになってしまいましたが、正しいことをして良かったのだと納得しています。
今になって、人が生きるうえで大切なこと、大事にしなければならないことがしみじみとわかるようになりました。
それがわかっていれば、心療内科などにも通わずにすんだのに、と思いますが、そのときは必死でわからなかったのです。
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