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2022/01/31

「ぼくの旅のあと先/椎名誠」を読みました。

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『ぼくの旅のあと先/椎名誠著(角川文庫)』を読みました。
この本は、2018年に刊行された単行本「あるいて行くとぶつかるんだ」を改題・加筆修正し文庫化されたものです。

椎名さんは、世界各国、そして日本国内も飛びまわって旅をしてきた人ですが、その旅の中で経験した様々なことについて振り返っている本でした。

椎名さんが行った昔の中国やロシアのビールがいかに“まずかった”か、その製造過程が想像を絶する劣悪なものであったこと、いろいろな国の国内便の飛行機がどんなにびっくりするようなものか、などなど、そのときには本当に大変な状態・状況だったのに、今になってずいぶんと落ち着いて書かれています、だからまた出掛けて行くんでしょうね、椎名さん。

それから、椎名さんが会社勤めだった頃の伊香保温泉社員旅行の騒動記は、私の若い頃の社内旅行と“ほぼ同じ”で、酒漬け、ギャンブル漬け、エロいこと漬けな旅となっていました。
椎名さんは懐かしがっているが、私は二度と行きたくないと思うような旅行でした。

また、各国の葬儀、遺体の扱い方についても書かれていましたが、これまた想像を絶するものでした。
「鳥葬」などは、私など、見たら気絶してしまうでしょう・・。

そんなこんなで、今回も椎名さんの旅というものは、何があっても突き進む、何があってもワシワシと物を食べる、そして何が何でも寝る場所をつくって眠る、そんな様子が描かれていました。

読んでいるだけで、旅の疲れが出ました(^_^;)

 

2022/01/29

矢川澄子さんの「妹たちへ」というエッセイ集を読みました。

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『矢川澄子ベスト・エッセイ 妹たちへ/矢川澄子著 早川茉莉編(ちくま文庫)』という本を読みました。

著者、矢川さんは1930~2002年、東京生まれで作家・詩人・翻訳家。
仏文学者作家の澁澤龍彦氏と結婚、仕事の協力者として活躍したが、その後離婚されています。そのことも、このエッセイ集には書かれていました。

失礼ながら、私は矢川さんのことを存知上げず、たまたま書店でこの本を見つけ、購入いたしました。なんか、ただ事じゃない雰囲気を醸し出している本だったのです。

読んで見て、たしかに“ただ事”じゃありませんでした(^_^;)

ものすごく繊細で、透明感があり、孤高のひと、みたいなところがありつつ、物怖じせず、信ずることに従い突き進んでいくようなところもあり、男に対して神秘的、性的な部分を感じさせつつも、ある意味とてもあっさりと、バッサリとした感覚も持っている・・魅力的でもあり、不思議な人でした。

後半に矢川さんと付き合いのあった森鴎外の娘、森茉莉さんとのエピソードも登場しましたが、なんだか森茉莉さんに似ているというか、“孤高”な感じが互いに呼び寄せるようなものがあったんじゃないか、などと思いました。

初めて「男」を経験したときのことも書かれていましたが、翌日の入浴中のことが書かれていて、生々しいがとてもセンシティブな表現に、新鮮な驚きを感じました。

ベスト・エッセイとして編集されているものなので、文学に関することから、日常生活のこと、食べ物のこと、自分と関わった人たちのことなど、“ネタ”は満載です。
四百数十頁もある本ですが、濃密で読み応えのあるものでした。

 

2022/01/28

YouTube で感心して、久しぶりに宝塚の話題を【2/2】

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前回から続いて、YouTube「ゆっくり宝塚ちゃんねる」という、とても丁寧に調べられているすごいチャンネルに影響され、そこで揚げられていた歴代トップスター在任期間ベスト10の方々について、私の思い出などを書いてみたいと思います。

今回は、第5位から第1位までです。(※前回も書きましたが、トップスター制度がはっきりと確立した1980年代以降のものだそうです)


第5位 剣 幸(つるぎ・みゆき) 月組 在任 1941日 5年3ヶ月

宝塚史上に残るトップ・オブ・トップなのではないでしょうか。
ものすごい人気を誇った大地真央さんからトップを引き継がれただけで、大プレッシャーだったと思いますが、見事に男役とはこういうものだ、という境地にまで達した方だったと思います。そして組子達をやさしく見守っていた方だと思います。

洋物、和物、どちらの演目でも華麗にこなし、お芝居もショーもどちらも、いつも抜群の出来でした。
特に日本で初の舞台化となった「ミー&マイガール」の公演は人気を呼び、宝塚大劇場→東京宝塚劇場→宝塚大劇場→東京宝塚劇場と二往復するロングランとなりました。一年間、月組は「ミー&マイガール」を公演していたわけです。今となると信じられない。

相手娘役のこだま愛(こだま・あい)さんとの名コンビで、一から「ミー・アンド・・」をつくりあげ、私はこの演目の“虜”となり(^^;)、東京と宝塚で十数回見ることになりましたが、毎回台詞が異なっていました。
つまり、あのひとつひとつのギャグも毎回、試行錯誤を繰り返していたのです。どんどん面白くなっていった。

「ミー・アンド・・」が、ロングランとなってしまい、二番手男役、涼風真世(すずかぜ・まよ)さんは、一年間女性役のジャッキーを演じることとなってしまったため、二度目の宝塚大劇場では二日間だけ、涼風さんがビルを、剣さんがジャッキーを演じたことがありました。

私はそのうち一日を見て、午前と午後でビル、ジャッキーの入れ替え公演を見たのですが、最後大階段を娘役・ジャッキーの衣裳で降りてくるトップの剣さん、滅多に見られない“いいもの”を見させてもらいました。
そして、剣さんのジャッキーは、ラストでジェラルドに張り手をされそうになったらやり返し、ジェラルドに張り手をかまし、痛い痛いという手のひらを振るという演技をしながらジェラルドと腕を組んで「結婚することになった」と舞台に出て来て場内の爆笑をかっさらったのでした。剣さん、天才!
長くなるので、剣さんはここまで。


第4位 春野 寿美礼(はるの・すみれ)花組 在任 2009日 5年6ヶ月

春野さんについては、完全に私の宝塚観劇休憩期間に入っていて、実物の公演を見ていません。
わずかですが、DVDなどで拝見して、実に完成した印象の男役スターでした。
長期間の在任になったのも、芝居、歌、ショーなど、どれも素晴らしく見えましたので当然のことだったのだと思います。
リアルタイムで観劇できなかったことが残念です。


第3位 明日海 りお(あすみ・りお) 花組 在任 2022日 5年6ヶ月

明日海さんは、本人が「月組の男役になりたくて宝塚に入った」と話していられたのをテレビで見たことがありましたが、学年が近く、共に将来トップだろうという関係の中、同じ組の中にいる龍真咲(りゅう・まさき)さんがトップになると、【準トップ】という不思議な立場となり、トップと同じ主役を役替わりで公演したりする、本人達も、ファンも、たぶんイヤだったであろうことになりました。
明日海さんが花組に組替えになり、この問題はおさまったわけですが、釈然としないものでした。

で、花組の二番手スターとなり「戦国BASARA」で「東急シアターオーブ公演」に登場すると、明日海さんが“只者”ではないことがわかりました。
圧倒的で、主演の蘭寿とむ(らんじゅ・とむ)さんを“クッて”しまうくらいの存在感でした。月組で“未完成”な印象だったものが、組替えで一気に開花したようでした。

そして「エリザベート」でトップお披露目したときには、素晴らしいトートを演じ、すごいトップスターになったと思いました。
その後はどんな演目も明日海さんが主演すれば、凡作になりそうなものさえも大きな意味を持つ素晴らしい作品になりました。
残念なのは、相手娘役が結局四人代わったのですが、トップコンビ二人で生み出すような独特のものは作り得ない状況になってしまったことです。

無い物ねだりですが、もし月組の娘役・愛希れいか(まなき・れいか)さんが相手娘役だったら、二人で唯一の大きなトップ・コンビになったのではないか、と思います。
月組時代の「アリスの恋人」「ロミオとジュリエット」などでは、抜群の相性という感がありましたし、愛希さんの明日海さんと組んだときの“活き活き”とした感じは本物だったと思います。


第2位 柚希 礼音(ゆずき・れおん) 星組 在任 2204日 6年1ヶ月

柚希さんの人気は若いファンからオールド・ファンまで満遍なく層の厚いものだったと思います。
歌唱力は他の追随を寄せ付けず、力強くグングン突き進む豪快なトップスターでした。
相手娘役の夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さんとは在任6年間ずっとコンビを組み、“ちえ・ねねコンビ”と呼ばれ、相性も良く、二人で星組を引っ張っていました。

「ノバ・ボサ・ノバ」は古くからの宝塚のそれこそ「宝」のようなショーの演目でしたが、これは柚希さんの星組にとって最高のものになりました。
“狂熱の嵐”のようなステージは、見ているこちらも興奮で疲れてしまう(*^^*)くらいの怒濤の熱演でした。
そして、カップリングのお芝居「めぐり会いは再び」は、対照的に“ゆる~い”ほのぼのとするもので、夢咲さんの魅力が爆発していました。

やがて、「眠らない男・ナポレオン」という超大作で、柚希さんと夢咲さんの黄金コンビは完成したという印象です。
その後、「太陽王 ル・ロワ・ソレイユ」では、、夢咲さんは別舞台に出演、柚希さんは後の娘役トップとなる二人、妃海風(ひなみ・ふう)さん、綺咲愛里(きさき・あいり)さんと舞台に出る頃になると、もう行き着くところまでいった・・という感じが私にはありました。

最後には、専科の轟悠(とどろき・ゆう)さんが主演として星組に登場するなど、トップ交代が近づき、仕上げに入ったな・・と思っていると退団が発表されました。
宝塚の歴史に残るトップ・コンビでした。


第1位 和央 ようか(わお・ようか) 宙組 在任 2246日 6年2ヶ月

せっかく、第1位だっていうのに、私の宝塚観劇休憩中のトップスターにあたってしまいました (・_・;

生の舞台は、関西に出張したときに一度だけ拝見しましたが、その頃は誰が誰やらわからない状態だったので、「なかなかいいな」くらいしか覚えていないのです・・面目ない。

でも、のちに DVD などで見た和央さんの舞台は、それまでの宝塚の男役とは異なり、とても現代的で、スマートで格好いい印象でした。
また、花總まり(はなふさ・まり)さんとの「ファントム」も DVD で見ましたが、これ以上ない最高のものでした。
舞台上で“ぼとぼと”と、ほんとうに涙を流す花總さん、そして哀しい怪人を抜群の歌唱と共に演じる和央さん、声も出ませんでした。
だもの、6年2ヶ月という最長の在任期間になったのでしょう。

以上で、宝塚トップスター在任期間ベストテンの方々への想い出などを綴るこの企画、終わりです。
せっかく宝塚スピリットに火が点いたので、今後も今回参考にさせていただいた YouTube チャンネルなどを見ながら、この火が消えないようにしようと思います。

それでは、また何らかの宝塚の話題で。

 

2022/01/27

YouTube で感心して、久しぶりに宝塚の話題を【1/2】

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コロナ禍で、宝塚観劇はここ二年間劇場には行けずにおります。
なので、ずいぶんと遠ざかってしまった感がありますが、このあいだ YouTube で「ゆっくり宝塚ちゃんねる」というかなり“凝った”チャンネルを発見して、“宝塚魂”に久しぶりに灯がともりました(*^^*)

このチャンネルを作成されている方は、非常に丁寧に綿密にいろいろと調べられていて、私も感心するとともに、すごい人だと思いました。
今回は、その中で長きに渡りトップスターを務めた方の在任期間ベストテンを作り、それぞれのスターの説明をしていたものがあったので、私も知っているトップスターが何人もおり、私なりにその方達の想い出などを書いて、宝塚スピリットをよみがえらせようかと思います(^_^;)・・長くなりそうなので、二回に分けます。

では、在任期間ベストテンの第十位から(※トップスター制度がはっきりと確立した1980年代以降のものだそうです)

第10位 高汐 巴(たかしお・ともえ) 花組 在任 1611日 4年4ヶ月

高汐さんは、私が生まれて初めて劇場で宝塚観劇したときのトップスターでした。
所属していた花組は大浦みずきさんという偉大なスターが二番手に君臨していて、高汐さんも心強かったことと思います。

「琥珀色の雨に濡れて」など、男役らしい男役、そしてコミカルな役から、SF、「真紅なる海に祈りを(アントニーとクレオパトラ)」のようなシェイクスピア作品まで、なんでもこなせるスーパースターでした。

ショーも「ヒーローズ」のようなガンガン飛ばすようなものから、ジャジーなもの、優雅なパリのレビューのようなものまで、こちらも変幻自在、自由自在な印象が残ります。歌も魅力的でした。
宝塚のトップスターとは、こういうものだ、と認識した存在感のあるスターでした。


第9位 轟 悠(とどろき・ゆう) 雪組 在任 1656日 4年6ヶ月

私が結婚し、子供もできて忙しくなり、宝塚観劇休憩中のトップスターですが、既に音楽学校時代から特別扱いされていたような記憶があります。

あの10年に一度の大運動会でも、音楽学校在校生なのに、大地真央さんなどと共によくテレビの画面に登場していたので、もうその存在感はただ者ではなかったのでしょう。
後にDVDで見た「エリザベート」のルキーニ役は凄いものがありました。

トップを降りたあとも、専科で様々な役をこなし、主演する公演もありました。
本物の「男」にしか見えない本格派男役だったと思います。


第8位 瀬奈 じゅん(せな・じゅん) 月組 在任 1679日 4年7ヶ月

私の長い長い宝塚観劇休憩がやっと解けた頃に、この瀬奈さんの月組公演を見ました。
特に「ミー&マイガール」の月組再演では、会場を興奮の渦に巻き込んでいる様子が印象的でした。

「ミー&マイガール」を初めて見た若い人同士が第一幕が降りたときに「すご~いっ」と抱き合っていたのを思い出します。それほど力の入った公演でした。

残念だったのは、相手娘役の彩乃 かなみ(あやの・かなみ)さんが先に退団されたあと、相手娘役が瀬奈さん退団までいなかったことでした。
彩乃さんへの思いがとても強かったのだと思いますが、やはりトップ娘役のいない宝塚歌劇というのは、魅力が半減してしまうのだ、と感じました。


第7位 麻実 れい(あさみ・れい) 雪組 在任 1702日 4年7ヶ月

麻実さんが現役のときは、ぎりぎり宝塚観劇をしていませんでしたので、実際には拝見しておりませんが、その存在は当時よくテレビその他で存じておりました。

たぶん、当時のトップスターとしては長身で、ルックスも宝塚の大道のような堂々としたものだったのではないでしょうか。
相手娘役の遥 くらら(はるか・くらら)さんも当時人気のあった方だと記憶しています。
お二人の“並び”はまさに宝塚トップスターらしさ横溢です。
退団後の日生劇場での公演を拝見したことがありましたが、さすがの貫禄ある演技でした。


第6位 珠城 りょう(たまき・りょう) 月組 在任 1805日 4年11ヶ月

珠城さんは記憶に新しい近年のトップスターです。
体格がよく、いかにもワイルドな方かな、と思うとさにあらず、心根の優しさが前面に出る温かい人柄が舞台上ににじみ出るような穏やかな印象のスターでした。

珠城さんのそんな性格に“あて書き”するような脚本も多かったと思います。
また、宝塚としては驚きというか、異色のショー『バッディー』は永久に宝塚の歴史に残る“奇天烈”なものでしたが(私も最初は混乱した)、大階段をサングラスで降り、タバコをくわえているトップスターに最初は度肝を抜かれたものでした。

そして、最初の相手娘役、愛希れいか(まなき・れいか)さんの「ウ~ウ~」怒りながらのロケット(ラインダンスのこと)はたぶん一生忘れられない(^^;)
愛希さんも、龍真咲(りゅう・まさき)さんの相手役時代から鍛えられ、珠城さんとのコンビ時に開花したのだと思います。

珠城さん、愛希さん二人でつくり上げ、さらに美園さくら(みその・さくら)さんとの次のコンビで完成に持って行ったという印象です。
ただ、トップになったのは早過ぎたのでは、・・美弥るりか(みや・るりか)さんが繋いで、その後で満を持して・・でも、よかったかも・・とも思いました。

以上が宝塚トップスター在任期間ベスト10のうち、第10位から第6位までの方々の私の思い出等でした。

ということで、体内にある「宝塚エンジン」に灯が入りましたので(^_^;)、第5位から第1位までについては、また次回にd(^_^o)

 

2022/01/25

「古本道入門/岡崎武志」を読みました。

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『古本道入門/岡崎武志著(中公文庫)』を読みました。
この本のタイトルらしく、古本屋で、と言いたいところですが、ブックオフで(^_^;)買いました。

しかし、この本の中でもふれていますが、ブックオフは最初のウチは古書店主などから「いつまでもつやら」と言われていたようですが、現在も多くの店舗が存在し、あらたな古本屋ジャンルとして定着しています。
著者の岡崎さんもあちこちのブックオフに顔を出していることが書かれていました。

でもって、この本は著者・岡崎武志さんが古本屋を巡る“よろこび”と、その“コツ”、またかつての古本業界と現在の業界の状況についてもふれています。
さらに「古本の達人」とでも言えそうな方々(猛者(^^;))を何人も紹介してくれます。
どの人も“ただ者”じゃない! (・_・;

岡崎さんも書かれているのですが、旅行で地方に行ったときのたのしみのひとつに、その地の古本屋さん巡りがあります・・家族には迷惑かもしれませんが(幸いにして我が家では妻も古本屋さんが好き)、気持ちはよくわかります。

ついつい旅行に行くと古本屋さんを探してしまうんですよねd(^_^o)
一軒でもいい古本屋さんを見つけると、その町の印象がぐっとよくなると岡崎さんは書かれていますが、まったくの同感です(゚ー゚*)。oO

旅先で買い求めた古本が旅の想い出と共に心に残るのです。

あと、ブックオフについてもこの本はふれているのですが、いま、新刊書店の文庫売り場に行っても、ほとんど目にすることのなくなった日本の現代作家がいますが、ブックオフの棚ではガンガンに現役でがんばっているのです。

石川達三、石坂洋次郎、獅子文六、源氏鶏太などの戦後流行作家、さらには片岡義男、横溝正史なども堂々と並んでいます。
・・そうだよなぁと思いました。
ブックオフに行ったときの、あれもある、これもある、以前一度は読んでみたかった本だ!という感覚はここから来ていたのだと、あらためて思いました。

古本との出会い、私もまだまだ、今でも週に何度か古書店やブックオフに行っています。
そのたびに「これは」という本に出会うことが多いです。
古き本との出会い、大切にしようと思います。

 

2022/01/23

古本の頁を繰っていて見つけるもの

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最近はコロナ禍で東京まで出掛け、古本屋、古書店めぐりをしていませんで、専らブックオフで古本を買い求めているのですが、買って来た古本をパラパラとめくっていると、いろいろなものを発見します。

「謹呈」と書かれた栞が挟まれていることがあります。
“著者謹呈”というやつです。せっかく著者からいただいたのに売ってしまった本というわけで、売るときに除けばいいのに、と思いますがせっかくの謹呈本を売り払うような人なので、そんなこと“お構いなし”なのでしょう(^_^;)

さらにいろいろなものに出会います。
飲物などのレシートが入っていることもあるし、病院の領収書や、乗車券の半券などが入っていることもあります。

人からもらった葉書が挟まれていることもあって、ドキッとします。
病気がなかなか良くならない、でも日々なんとか頑張っています・・なんて書いてあったことがありました。どんな人がどんな間柄の人に送ったのか、などと暫し想いを馳せたりすることもあったのです。

出版記念パーティー会場で売られ、その領収書が入っていたこともありました。
まるで新品だったので、即座に売ったのだと思いますが、あんまりだよ・・と思ったりします (・_・;

あとは、栞代わりに読み終えたところまでページの“耳”を折ってあるもの・・(T_T)
いっぱい折ってあるので、私としては気になり、全部元に戻します。だって気になるもの。

それから、赤ペンや鉛筆などで本人が大事だと思ったらしき部分に「線」を引いているものがあります。
ただでさえ“うっとうしい”のに、これがさぁ・・どう読んでも重要でも何でもない“お門違い”な部分に線が引かれているのです(>_<)
それが気になってもう読むことが出来ないし、苛立たしい!(^^;)

だから、お店でパラパラとやってみて、線が引かれているものはもう買わないっ!d(^_^o)

逆に古書店などに行くと、とても古い個人のアルバムなどが売られていることがあります。
古本に写真が一枚挟まっていたというのでなく、最初っから写真満載のアルバムが単体で売られているのです。

私は、若い頃に、軽井沢のあの上皇様と上皇后様のロマンスの場となったテニスコート近くの公民館で何かの企画だったのでしょうか、古書が売られていたところに出くわし、そこにもアルバムがいくつか売られていて、昔の上流階級であったであろう家族のものがあり、その華麗な生活が写されているアルバムに驚いたことがあります。
ちょっと怖くて買うことはしませんでしたが・・。

ということで、古本、古書には様々な過去の発見物がついてくることがある、というお話でした。

 

2022/01/21

【ワサビと唐辛子で何かを試す二人/過去に会った人、過去にあった出来事について振り返る №69】

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過去にあった人と出来事のシリーズ、まだ続いています。
以前にひょっとして書いたことがあったかもしれないけど、このシリーズを利用して再度考察いたします。

今回登場する二人とも上司、あるいは役職が上の人達。

最初の人は夕方突然、飲み会をするので来るようにとのことで、行きたくないけど仕方なくついて行きました。皆、肩を落としてついて行きました。

飲み会途中で「すごいことを知っている。ワサビをビールに入れると苦くなくなって飲みやすくなるんだ。そうだ、お店の人に言って小鉢にワサビを大量に盛って持って来てもらえ。」と言いだしました。

私は「えっ・・なんてことを」と思っていたら、その上司の一の子分が飛んで調理場に行きましたが、女将さんに何に使うのか聞かれ、正直に言ったら「そんなことのためにワサビはお出し出来ません!」と即座に断られました。・・そりゃそうだ、女将さんが正しい。

そしたら一の子分の男が「私がコンビニまで走って買って来ます」とお店を飛び出し、チューブ入りの練りワサビを買ってきてしまいました。

で、その上司は、全員のビールグラスに“じゅぶじゅぶ”とワサビを4㎝ずつくらい落とし、自らのグラスには入れない・・(T_T)

「ほら、飲め」と。 全員肩を落としながらそれを飲み・・

「ほんとですね、苦くない。ビールの味がしません。これは飲みやすい。」などとわけのわからない“おべっか”を言うのでした(^_^;)

せっかく人を誘って飲み会をして、こんなひどい目にあわせる・・。
しかも、“完全割り勘”!! 全部奢れとは言わないが、誘ったら料理のひとつでも皆にご馳走したらどうだ、と思いましたが、こういう人ってものすごいケチなことは共通しているのです。次にご紹介する人も同じだった。

私が考えるに、酒のたのしみ方も知らないし、こんな愚かなことをして、皆が自分に従うか試さないと安心できないのでしょう、これでますます嫌われるのにも気づかずに。

でね、コンビニまで走ってワサビを買ってきた男は出世しましたよ、こういうもんですd( ̄  ̄)

 

 

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さあ、二人目。
またも同じような状況で、無理やり人を集めての飲み会でした。
焼き鳥屋での飲み会でしたが、大皿に焼き鳥各種の盛り合わせをその人は頼み、運ばれてくると、その大皿の焼き鳥全部に七味唐辛子を“ひと瓶”!ザァ~ッと掛け、焼き鳥本体が七味唐辛子の赤で見えなくなりました。

「こうやって食うのがいちばんウマいんだ。さあ食えっ。」・・だってさ。

「自分の取り皿に何本か取って、それに唐辛子を掛ければいいじゃないのっ!」と思いましたが、皆も無言・・。

ひとくち、口に入れた途端に皆「げほ、ごほ」とむせています。当然のことです。
それでも、前回にもいた“太鼓持ち”的なヤツが、「なるほどこんな食べ方があるんですね」と、わけのわからぬ“おべっか”を言う(^^;)・・・で、こいつもスピード出世しました。私にこれだけの“ゴマがすれれば”もうちょっと出世したでしょう。

この人も自分の言うことを皆がきくかどうか、こんなことでもしないと安心できないんでしょうね。
つまり、ほんとうは自分に自信がない。・・だから確認作業が必要になる。

で、皆を呼び出したのに、こちらも完全割り勘! (・_・; そういう人なんだよ。

結論が出ました。
出されたものは、どんなものでも飲み、食べ、「これはいい」などと感想を述べる(^_^;)
これで宮仕えはうまくいくっ!

私はやんないけどね。

 

2022/01/20

「壁に耳あり/永六輔」を読みました。

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『壁に耳あり/永六輔著(講談社文庫)』を読みました。ブックオフで110円です(*^_^*)

これは永さんが連載していた「週刊金曜日」の『無名人語録』を一冊の『沈黙は金曜日』という本にして、さらにそれを文庫化し『壁に耳あり』と改題したものです。

永さんが日本中を旅していく中で耳にした“歯に衣着せぬ”本音のつぶやき、佳言、金言、放言などを集めたものです。
だから、なるほどというものもありつつ、思わず笑ってしまうもの、あまりにも正直な言葉などなどが(^_^;)いっぱいでした。

ほんの少しばかりご紹介すると・・

「勲章というものは、欲しがる人のためにあるんです」
・・そうなんですよねぇ、欲しがる人がいっぱいいるんですけど、何で欲しいんでしょうね。

「天才といわれる人は病気なんですよ。でも、それを治すと、普通の人になっちゃいますからね」
・・天才は、どこか病気というか、“壊れて”います。そこがその人の最大の魅力なんだけど、治そうとする人がいるんですよね、なんか生真面目な人が。

「テレビ見てるとさ、お友達同士のクラブ活動だね。仲良し同士がスタジオで宴会をやっているような番組ばかりだね」
・・数十年前でこの状態でしたが、今ではこのような番組が99%になりました。だから私はテレビを見なくなった・・。

「一番サギにかかりやすいのは、一応金は持っていて、出来ればもうちょっと増やしたいと思っている奴です。こういうのは根こそぎゴッソリいただけます」
・・これもまた、日々のニュースでまさに“餌食”になった人達のことが報道されています。金を持っているのに、まだ増やそうとするんだよね。
でゴッソリやられると、自分のことを“被害者”だと嘆くわけです。少しはニュースなどを見て学習すればいいのに。

「課長の私には責任がありません。責任がないということは、無責任ということです。」
・・みんなで責任を誰かになすりつけようとしているというのは、よく報道等でお見かけします。無責任なヤツらが責任を押し付け合っている様は実に醜い。

などなど(^^;)枚挙に暇がありません。

数十年前に書かれたものですが、世間さまはちっとも変わっていないという感じですd(^_^o)

 

2022/01/19

「見なかった見なかった/内館牧子」を読みました。

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『見なかった見なかった/内館牧子著(幻冬舎文庫)』という本をブックオフで見つけ、読んでみました。
内容としては、「週刊朝日」2005年~2006年に掲載された「暖簾にひじ鉄」を改題した文庫オリジナルです。

15年以上前の文なので、懐かしい話や、今ではちょっと問題発言的なものもありましたが、これはこれで楽しく読めました。

いろいろ内舘さんが出くわした出来事などが書かれていましたが、友達とお寿司屋さんにいたら、突然見知らぬ男の人がカウンターの背後に立ち、「向こうの離れに、国会議員の〇〇先生がいらっしゃっています。私は〇〇先生の秘書ですが、内舘さんがいるなら、離れに来るようにと〇〇先生がおっしゃっておいでです。ちょっと離れに挨拶に来て下さい。」と言われた話が書かれていました。

内舘さんが行かない旨伝えたら、何度か秘書が呼びに来たという話でしたが、内舘さんの友達が、「会いたがっているそちらからここに来るのが筋ですよ」と言ったのですが、議員の先生はきっといつだって他人を呼びつけて、選挙のときだけは這いつくばったりしているんだろうな・・ということでした。
こういう人、私も仕事で何度か出会いました。
一生わからないまま、こんなことしているんだと思いますよ。

NHKの元アナウンサーの「絵門ゆう」さんとのお話も書かれていましたが、絵門さんはその後四十九歳で亡くなりました。
内舘さんと対談したときには、お顔は元気そうでしたが、「私、がんが全身に転移しているもので、過去に三ヶ所首の骨が折れているの。頭蓋骨にも転移しているし、外出の時は保護器具でガードしているんです。」と保護器具を首につけて現われた様子が書かれていました。
いろいろなことがあった絵門さんが、過去の今ではみっともないと思えるようなことも書き、身体が大変なことになっているのに、元気を出してずんずん突き進んでいる姿が書かれていて、私も感じることがありました。

去年の今頃は、私も生きるか死ぬか、という状態でした。
看護師さんにお願いしてノートとペンを買ってきてもらい、素直に自分のことを振り返り、何か書き残そうとしたのです。
あのときの気持ちは、もう生きて家に帰れないかもしれないという怖ろしさもありましたが、でもなんとかして今の気持ちを家族に伝えておこうと気力を振り絞りました。
そのときの気持ちを思い出しました。

このほかにも、様々なエピソードが書かれていましたが、その都度考えることがたくさんありました。
いい時期に、この本に出会えて、もう一度自分について考え直すことが出来ました。

 

2022/01/17

Lo-Fi HIP HOP を知らなかった

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芸能人の顔もよく知らず、皆が見ているようなドラマも全く見ず、テレビはほとんど見ないで、どんな曲が今流行っているのかも知らない、「世捨て人」とよく言われる私ですが…σ(^_^;)

表題の「Lo-Fi HIP HOP」という音楽を今月になって初めて聞きました。
USEN 放送の番組表を見て、あれこれ、どんな音楽を聞こうかといろいろなチャンネルを試し聞きしていたら、この「Lo-Fi HIP HOP」チャンネルに出会ったのです。

インターネットを中心に拡がっているようで、古いジャズやソウルからサンプリングされたネタに、レイドバックした“ヨレた”感じのドラムで構成されたヒップホップを指す・・ことが多いのだそうです。

聞いた感じだと、ジャズを中心に、ピアノやギターなどのエッセンスを散りばめ、独特な雰囲気を漂わせるゆったりとしたサウンドが特徴のようです。
歌やラップが入っておらず、メロウな楽曲ばかりなので、勉強や仕事の作業用BGMなどに最適だと言われているようで、まさにそのとおりだと感じました。
日常生活の中で流れていても、とても心が安らぐように私は感じました。

また、雨がポツポツと降るような音や、スクラッチノイズのような、いわゆるノイズ、人の声、自然の波や風の音なども入っているものもあって、聞いていると不安感が無く、気持ちがニュートラルに、自然になるようにも思いました。

ヒップホップと名のつくものは、ほぼ全部嫌いな私ですが、これはいいと、まさに“ハマり”ました(゚ー゚*)。oO

さまざまな気分のときに、それにあった音楽を探して聞いていますが、これはかなり色々なシーンで聞いても心が落ち着きます。
世情に疎い私には、実際にこの音楽がどれだけの人が聞いているのか、世界的にはどうなのかもわかりませんが、当分の間日常生活上の音楽として聞く比率は高くなりそうです。

長いこと生きていると音楽だけでも、新しいものに出会ったり、古いものにであったりで、新鮮な気持ちになります。

 

2022/01/16

岩波新書の「ことばの道草」を読みました。

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『ことばの道草/岩波書店辞典編集部編(岩波新書)』をまたもブックオフで格安入手し、読んでみました。

ことばをめぐるエピソードなどを拾い集めた本でした。1999年に刊行されたものです。
漢籍・仏典などからくる言葉など、難しいものも載っていましたが、私がまったく知らなかったことで身近なものから、ちょっとご紹介。

「有楽町」
・・もちろんあの有楽町です。東京銀座に接する繁華街。東京勤務時代には、他県・他市の人達とあちこち飲み歩きました。

実は、織田 有楽斎(うらくさい)という人の屋敷があったことに因んでいるのだそうです。
有楽斎は、信長の弟で茶人。秀吉、家康に仕え、大阪冬の陣では和議の斡旋に努めた人とのこと。のちに京都に隠棲、茶事に余生を送った人物なのだそうで、知らなかったなぁ。

つぎは「老舗」
どうして「しにせ」と読ませるのだろう、と思っていましたが、これは“当て字”だそうです。
動詞の「仕似せる」からできた語で、先祖代々の業を“まねて”、守りつぐことが原義なんですって。知らなかったです。でも、“なるほど”という感じ。

もうひとつ「だふ屋」
よく野球スタジアムの周辺や、コンサート会場周辺にいた「いい席あるよ」って声をかけてくる人です。
私、「だふ」というのは、何か外国語の頭文字かなにかだと思っていたのですが、単に「札(ふだ)」の倒語だそうで、よく隠語で“ひっくり返し”に言うあれです。

これと同じく、ネタが割れるの“ネタ”は“種”。
がさ入れの“がさ”は“さが(す)”。
どや街の“どや”は“宿”。
ポシャるの“ポシャ”は、“シャッポ(をぬぐ)”。

聞いてみたら、そういうことなんだ~(^_^;)ということでした。

120円でいろいろ知ることが出来ました(*^_^*)ブックオフあなどれません。

 

2022/01/15

「ジョンたま」って聞いて・・自分には使えないと思った。

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表題の「ジョンたま」というのは、ジョン・レノンのビートルズ解散後の正式なソロ・アルバム、邦題『ジョンの魂』(JOHN LENNON / PLASTIC ONO BAND)のことです。

ラジオでジョンのこのアルバムをこう呼んでいる人がいて、耳にとまりました。
何か、本でもこう呼称している人がいたと思います。

「マザー」という曲では、

「母さん、僕はあなたのものだったけど、あなたは僕のものじゃなかった」「父さん、あなたは僕を捨てたけれど、僕はあなたから離れなかった、僕はあなたを必要としたけど、あなたは僕を必要としなかった」

などと、歌詞を聞いているだけで、つらいものがありました。

「ゴッド」という曲では、

自分達が世界の人気者となり、名声・栄誉・富などを得ることとなった自らのグループを「僕はビートルズを信じない」と低い声で歌っています。
ディランも、エルビスも、ケネディも、イエスも信じない・・と。

その他「アイソレーション」なども歌詞を読んでいると、孤独な気持ちを悲痛なまでに歌っています。
しかも、ピアノ、ギター、ベース、ドラムというシンプルなバンド構成で、毛筆で真っ白い紙に“墨痕鮮やか”に書いているような感じです。静謐な印象。

でもって、それをいくら何度も聞いてきたからといって、ジョンに親しみをこめたからといって『ジョンたま』はないだろうと思ったのです。

“ニラ玉”でも“のりたま”でも“忍たま乱太郎”でもないのだ!
ジョンの魂の叫びを聞いて、日本の担当者も邦題を「ジョンの魂」としたのだと思う。
それをあんた、「ジョンたま」だよ・・。

というわけで、「オレは何十年もジョンを聞いてきたから“ジョンたま”と言える立場なのだ」というお方もいらっしゃるとは思いますが、ただ私は“いやな感じ”と思ったので書いてみました。

ほかにも自分が好きなものに対して「蔑称」とも言える呼び方をしている人がいて、例えば自転車のことを「チャリンコ」または「チャリ」と言う人がいる。

語源についてはいろいろ説もあるが、あまりいいことは書かれていない。
なんといっても、私が感じるところ、この言葉を使っている人で自転車を本当に好きな人はいなさそうです。
タレントのなぎらけんいちさんも、「自転車は大好きでよく乗るが、“チャリンコ”“チャリ”というのは自転車の“蔑称”なので自転車好きとしては使うことなんて出来ない」とおっしゃっていました。

あと、気になったのが、オーディオ関連のSNSなどで、中国製のアンプのことを「中華アンプ」と呼称している人が多数なのに気付きました。
やはり、“親しみを込めているんだ”と言われるかと思いますが、でもなんだか印象的には、“小バカ”にしている、あるいは上から見ているようなものを感じます。

自分の好きなことや、ものについて、もっと口から発せられた言葉としての印象が相手方にどう伝わるかを考えた方がいいんじゃないかと思ったのです。

ちょっと、ふざけているというか、安易過ぎると感じたのです。

たいした話じゃないな、と思う人もいるかもしれませんが、ここは私の思ったことを書く場所なので、書いてみました。


【Now Playing】 Mindfulness / CYGN ( Lo-fi Hip Hop )

 

2022/01/14

「おじさん酒場」を読んだ。

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『おじさん酒場/山田真由美・文 なかむらるみ・絵(ちくま文庫)』を読みました。
フリーライターの著者、山田真由美さんと、イラストレーターのなかむらるみ さんが、いい感じの“おじさん”がいる酒場めがけて飲みに行き、ちょうどいい“おじさん具合”と、その酒場の様子を絵と共にルポするものです、早い話が!

いい酒場を紹介していて、やはり“いい酒場”には“いい具合”のおじさんがいるものです。
女性ふたりで酒場に入ってくると、物珍しいのか話しかけてくるおじさんは多い(^_^;)
「これ食べてみな」とか、「ここはアレをたのまなきゃダメ」みたいなことになります。
うまい具合におじさんを翻弄してリポートは進むのでしたd(^_^o)

著者山田さんが師匠と仰いでいる、居酒屋といえばの“太田和彦”さんとも遭遇します。
太田さんは、相変わらず、重くなく、しかも軽過ぎずの自然体で飲んでいます。
巻末では、太田さんと著者とイラスト担当のなかむらさんが鼎談を繰り広げてくれて、居酒屋の見つけ方、居酒屋での存在の仕方などを丁寧に、しかも軽々と教えてくれます。

読んでいて、これは!と思ったところを何箇所かご紹介したいと思います。

居酒屋での「出会いは絶景である」という言葉。
大袈裟かもしれませんが、“出会いという絶景”に浴すことによって、ひとは成長するのだというわけです。
単に生きているだけでは絶景には出会えない。人生の喜び、何か手応えのあるものと思えるようなものを求めていなければだめなんだ・・ということで、私も同感。
おじさんとの出会いも“絶景”なのです。

そして居酒屋では、組織や仕事、家庭から離れ、素の自分に戻ったおじさんたちが途端にイキイキとのびやかになる、と書かれている(^_^;)
よい顔で呑んでいるのでしょうね。
そして、陽気に呑んでいても、どこか感傷の気配がにじむ・・なんだかわかるような気がする(゚ー゚*)。oO

最後の鼎談で太田和彦さんが言っている言葉もおもしろかった。

酒と異性は似ているかもしれない。
好きか嫌いかで選べる。
「なんか好き」という理由にならない理由もあるし。

いい感じのお言葉だと思います(*^_^*)
私も理由は、はっきりと言えないが、「なんだか好き」っていうお酒と人がいます。


【Now Playing】 Please Consider Me / Kat Edmonson ( Jazz Vocals )

 

2022/01/13

「癒やし」「ふれあい」「寄り添う」という言葉を使いたがる人・・特に公的機関。

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一週間くらい前だったか、ラジオで森本毅郎さんが毎日新聞のオピニオン欄に書かれていたことについてふれていました。

そのオピニオン欄の著者は、「癒やし(いやし)という言葉に昭和初期の生まれの者として、最後まで抗う」と言っていた、そしてその心意気や良しという内容でした。

私もラジオを聞いていて、「そうだな、“癒やし”って言葉、一時やたら流行って、誰もが使っていたような気がする」と思いました。

一時期、“癒やされたい”ヤツばかりになったと感じたことがありました。
なんでもかんでも“癒やされますねえ”という話題ばかりで、テレビなどもそんな“癒やし”をテーマにした番組などがけっこう多くありました。

何か、香りだとか、灯りだとか、マッサージ的なものだとか、景色だとか、そういうものを提供してくれる場所などに行ってみる・・というようなテレビ番組なども多かった時期がありましたし、今でもそんなことはあるみたい。

“癒やし”と共に、“ふれあい”という言葉も「不滅的」に誰もが使いたがったような気がします。
特に公的機関などに「〇〇“ふれあい”センター」などというネーミングが目立った時期があったと思いますし、今でもまだある気がします。
何を“ふれ合おう”というのでしょうか。ネーミングに“ふれあい”を入れることによって、逆に焦点が“ぼかされて”いるような気もします。

「癒やし」や「ふれあい」と共に、私がもうひとつ怪しんでいる言葉が、「寄り添う」です。
公務員や、議員、政治家などが「市民に“寄り添った”政策」などと、よく発言するのですが、どういうふうに寄り添おうっていうんでしょうか。
字面や、言葉が発しているイメージは、とても“温かな”印象を与えますが、「寄り添う」という言葉が使われている場合は、たいてい具体的なことは曖昧です。

「癒やし」「ふれあい」「寄り添う」などの言葉を見つけたら、まずは眉につばをつけて疑ってかかった方がいいんじゃないか、というのが私が今思っていることです。

以前、仕事で公の回答文書を作成していた時に、上司から「なんとか、“寄り添う”という言葉を入れることは出来ないか」と言われたことがありました。
私はなんだか“安易”な言葉の使い方だなぁと思いつつも上司からの命令であったのでいうことは聞きましたが、さいごまで納得がいかないというか、寄り添う前に具体的に何をするのか書いた方がいいのに、と思ったのです。

でも、“耳あたり”のいい言葉って、使いたくなるんでしょうね。

使いたい言葉があったら、それを使うことによって、相手がどんな印象を持つかを考えねばならないのではないかと思います。
“寄り添われ”たら・・“薄っ気味悪い”と、私は思うのです。

 

2022/01/10

「四字熟語ひとくち話」を読みました。

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『四字熟語ひとくち話/岩波書店辞典編集部編(岩波新書)』という本を、これまたブックオフで発見し、格安にて入手、読んでみました。

これは、岩波四字熟語辞典の編集者が選んで、熟語辞典を読む愉しみがいっそう増すような話を書いてみた・・というものです。
2007年に第一刷発行されています。

初めて聞くような四字熟語もたくさんありましたし、よく知っているものもあったのですが、よく知っているものでも、もとは逆の意味だったりして変遷を辿って現在に至る・・みたいなものもあり、勉強になりましたd( ̄  ̄)

中で、ちょっと気になった四字熟語について、ふたつほど書いてみたいと思います。

《隔靴掻痒・かっかそうよう》

この四字熟語を最初に聞いたのは、私が二十代の頃、ラジオのニッポン放送、髙嶋秀武さんがよく使っていたので、「どんな意味だろう、なんか“手がとどかない”みたいなことかな」などと思っていたのですが、当たらずといえども遠からじでした。

早い話がギプスや包帯でぐるぐる巻きにされた脚が痒い(^_^;)・・でも掻けない、こんな状態ですよね。
他人のやり方が気に入らない、自分ならと思っているが当人にはわからない。
自分が代わるわけにもいかないし、勝手にしろというわけにもいかない(^^;)

自分では使わない言葉です。だって、言ってもわかってくれる若い人はたぶん少なそうだから(*^_^*)

《玩物喪志・がんぶつそうし》

これは、この本を読むまで知りませんでした。
例えば、本というものは、本そのものよりも、書かれている内容に価値があるのであって、物理的な存在の本に魅力を感じてしまい(要するに初版本、私家版、著者のサイン入りなどの稀覯本などについて)、本当に大事な志を喪失してしまうことがある、ということなのだそうです。

本に限らず、物に執着すると肝心の志を失うということです。

私も音楽を聞くときに、楽曲そのものを味わうということを忘れ、その盤の貴重さや、たいした内容が収録されているわけでもないのに、ジャケットが珍しい、などということに気を取られ、本質を見失ってしまったこと、しまうことがよくあります。
わかっているんですけど・・ね。

「人を玩べば徳を失い、物を玩べば志を失う」という書経のことばからの四字熟語だそうです。

 

2022/01/09

新春セールで見つけた「房総のうたびと」という本。

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『房総のうたびと -その、短歌現在-/新井章著(崙書房)』という本を見つけました。
よく行くブックオフの中でも大きな店舗、祐光町店で、“新春20%Off”セールがありましたので妻と出かけたわけです。

また後日紹介しますが、この日の収穫は「文学研究」のようなコーナーにあった『日本文学を読む・日本の面影/ドナルド・キーン』でした。格安!

そしてその本の隣にあったこの『房総のうたびと』。
房総にはどんな「うたびと」がいるのかと気になり、パラパラとめくってみると・・!!・・「新写生・新万葉調歌風の確立-秋葉四郎」の名が。

秋葉四郎先生は、私の中学時代の一年生の時の担任です。
よくこのブログに出てくる美術の先生は、二・三年時の担任でした。

紹介文から推察するに、間違いなくこの秋葉四郎先生は私の中学一年の担任です。

先生の抑制の効いた「うた」、写実的で静かな「うた」に今のこの年齢で接し、とても心が清々しくなりました。

「えっ、秋葉先生は有名な歌人だったのか」とあらためて驚き、いろいろ調べてみました。
昭和12年生、日本の歌人、文芸評論家、随筆家、教育者、文学博士、短歌結社「歩道」編集長、斎藤茂吉記念館館長もされたようで、日本歌人クラブ顧問とも記されています。

先生が担任を受け持ったのは、私達のクラスが最後だったことを記憶しています。
その後は、教育委員会に行かれたところまでは存知上げておりました。
こんな高名な方だったのに、私達生徒には何も言わず、国語の授業を丁寧にされていました。そして、昔の教師像を絵に描いたようなきちっとした立派な姿が印象に残っています。

そんな先生がある日、放課後にクラスの女子二名と、男子は私一人を呼び出されました。
そして、「これを読んでごらん」とそれぞれに三冊ずつの本を手渡されました。
その本は、今でも保存しているのですが、私には「次郎物語/下村湖人」「友情/武者小路実篤」「あしながおじさん/ウエブスター」をくださいました。

今の私の“本好き”は、まさしくこの時がきっかけとなりました。
秋葉先生ありがとう。

ブックオフが新春セールをしていなければ、いつもはあまり行かない「文学研究」のコーナーに行かなければ、このようなことを知ることは今後も無かったでしょう。
「出会い」と「偶然」は大切にしようと思いました。

 

2022/01/06

CDジャーナルのムック本「台湾人ジャーナリストが見たニッポンのジャズ喫茶」を読みました。

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『台湾人ジャーナリストが見たニッポンのジャズ喫茶/周靖庭[写真・文]高智範[訳]((株)シーディージャーナル)』という本を読みました。

元々は、台湾人ジャーナリストである著者が台湾の人達に日本の「ジャズ喫茶」という独自の文化的な存在を紹介する本として出されたもので、それを日本語に訳してCDジャーナル社から“ムック”として出版されたものです。

著者は本来クラッシック・ファンとのことで、台湾大学音楽研究所を卒業され、現在はフリーランサー。オーディオ誌のコラムニストのほか、音楽サイトの編集協力などをされ、さらに音楽鑑賞講座の講師などもされているとのこと。

そして焼き肉好きで、合羽橋好き、中古CDも好きだそう・・。

でもって、この本ではジャズの魅力に深く“ハマって”いるわけです。ジャズを良い音で聞かせるジャズ喫茶という日本独自の存在が周氏にとって、よりジャズにどっぷりと浸かるきっかけとなったようです。

著者は、日本中のジャズ喫茶をめぐっていますが、それぞれの喫茶店と、そこに設えられているオーディオ・システムについても丁寧に写真を撮り、マスターと中身の濃い話をしながら“各種各様”なジャズ喫茶のたたずまい、そこで鳴っている音、マスターの考え方などを実に詳細に、またやさしい眼差しで文にされています。

日本人でもこんなしっかりした内容のジャズ喫茶本が書けるだろうか、という充実ぶりです。

読んで見て、これは「歴史的資料」としても価値のある本に仕上がっていると思いました。

ジャズ喫茶は、ジャズという音楽の“図書館”的な存在でもあり、どのマスターも「まずは実際に来て聞いてみてほしい。聞けばその魅力に気づくのだ。」ということを言っていて、多くのジャズ喫茶が大音量、あるいはとても良い音でジャズを紹介し、今どきのイヤフォンやヘッドフォン、小型のブルートゥース・スピーカーのみで音楽を聞いている人には驚きの経験をさせてくれる場所であることを愛情あふれる形で文章にされています。

「いーぐる」や、「ジニアス」、「映画館」「ちぐさ」「ジャズ・オリンパス」など名だたるジャズ喫茶が掲載されています。そして当然出てくる岩手一関の「ベイシー」。

果たしてこのジャズ喫茶という文化は今後も継承されていくのだろうか、と不安にもなるのですが、日々ジャズを聞き、今でも新たな発見をしている私としては、何が何でもジャズ喫茶という存在が継続されていくことを望みます。
この本を読んで、また強くそう思ったのでした。

 

2022/01/05

今、珈琲を淹れるのが楽しくなってきたところです。

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最初の写真は、「ダイソー(百均)」で売っている耐熱ガラス・珈琲カップです。
よく珈琲関係のYouTube を見るのですが、「Metel 珈琲」チャンネルの、めぐさんという方が紹介していたもので、税込み110円!
ガラスなので、自分で淹れた珈琲の“色”が確認できて重宝しています。家族に出す前にこれで色を見ながらちょっと味見します。
小ぶりで、角張った“持ち手”も使いやすいd(^_^o)
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続いて上記の100円カップを買ったときに見つけた500円カップ(^-^)/☆
これは二重ガラスになっていて、保温性がよく、見た目もよくてついでに買っちゃいました。口が広く、珈琲の香りをよく感じることができます。
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次は何十年も前から使っている「カリタ」の陶器ドリッパーです。穴は三つのオーソドックスなタイプ。
台形の紙フィルターを使い、私のような素人でも、どんな豆でも、失敗なく淹れることができる“信頼”と“実績”のドリッパーです。
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次は同じ「カリタ」のウェーブ・ドリッパー。
フィルターも“ひだひだ”のついたウェーブ・フィルターを使います。
私が使った感じだと、中煎りから浅煎りくらいの豆で、豆独自の特徴があるものに適しているように思いました。
ずっしりとは入らないが、豆の特徴を際立たせ、軽くても“パンチ”のある珈琲が味わえる気がします。
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次は「オリガミ」のドリッパー。美濃焼で、十数種の色もあり、形も華やかで、淹れていて楽しいドリッパーです。私のは“マット・ピンク”。
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しかも、フィルターは前記のウェーブ・フィルターも使えるし、今流行りの「円錐形」のものも使えるという“二刀流”です。
これがまた強みになっていて、二種類の淹れ方ができるので、“下手”な私でも、これがあるとけっこう心強くなります(゚ー゚*)。oO
ウェーブ・ドリッパー同様、豆の特徴をよく出してくれて、しかもウェーブ・フィルターを使ったときには、まろやかでやさしい感じの珈琲になるように思います。
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次は、「円錐形」のフィルターと言えば、この「ハリオ」のドリッパー「V60」で淹れている人が現在は圧倒的多数だと思います。
とても人気があるし、YouTube などで珈琲関係の動画を見ていても、ほとんどの人が使っている。

でも、私が使ってみての感想は、“とても難しい”ドリッパーです。
お湯の注ぎ方、湯温、時間など、それぞれの豆に合わせて変化させないとうまく出せない。
豆ごとに、試行錯誤を繰り返さないと、美味しい珈琲を淹れることはできないように感じます。うまくいけば、とても美味しくもなる。
要するに“玄人向け”です。今の私にはまだ使いこなせない器具です。

 

 

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そしてドリッパーの最後は、年末に大陶器市で手に入れた「波佐見焼」のドリッパー。
出口が大きな丸い穴だけという形で、ハリオのようにお湯が落ちる部分に“ギザギザ”も無く、円錐形のフィルターを使うしかないのですが、実際に使うと穴が大きいから速いのかと思いきや、どっぷりとお湯が溜まってしまって、なかなか落ちない・・(^_^;)
いろいろな種類の豆を淹れてみましたが、どれもうまくいかなかった。

で、驚いたのは、今人気で、高値を呼んでいる「ゲイシャ」種の豆を手に入れて淹れてみたら・・美味しいっ'(*゚▽゚*)'
他のドリッパーで淹れると、ちょっと特徴が強く出過ぎて、“エグい”感じが残ってしまったのですが、この波佐見焼ドリッパーだと、それがなくなり、ゲイシャのフレッシュでフルーティーな感じがとてもよく出ているのでした。とても意外でしたが、うれしい誤算でした(*^_^*)

 

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最後は、上記波佐見焼ドリッパーと共に陶器市で手に入れた兄弟関係のカップです。
色も“お揃い”にして、飲んでみると、口あたりがよくて、保温性も良く、珈琲と共に過すひとときがとてもやすらぎます(゚ー゚*)。oO

以上、珈琲に興味のない方には、どうでもいいようなお話でしたが、新年を迎えてからも、私の楽しみのひとつとなっている珈琲と、その器具についてのお話でした。

 

2022/01/04

夏井いつき先生の「超カンタン!俳句塾」を妻から借りて読みました。

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『夏井いつきの超カンタン!俳句塾/夏井いつき著(世界文化社)』を読みました。

昨年、暮れの29日に、このブログで同じ夏井先生の「365日季語手帖」を読んでご紹介しましたが、そのときに妻から「私も夏井先生の本、持っているよ」と貸してくれたのが、今回の「超カンタン!俳句塾」という本です。

あの「プレバト」というテレビ番組でも感じますが、夏井先生の解説は素人にもわかりやすいd(^_^o)
今回の、この本も“いいところに目をつけた”という句を取り上げて、先生が“ここをこう直せば”という添削をしていて、理解しやすくなっていました。

また、先生が選んだ「秀句」も、“目からウロコ”の意外な角度から攻めてくる“いい句”ばかりで楽しめました。

この本の前半に、脳科学者の茂木健一郎氏と先生との対談が掲載されていましたが、その中で気になった部分がありました。

俳句をやっていると、物の考え方がすごく前向きになるというのです。
人と待ち合わせして、“待たされた”ときに、目の前の風景や通り過ぎる人、車などを観察すれば、結構面白いことに出会う、とおっしゃっています。
たしかに、「プレバト」などを見ていると、そんなシーンからヒントを得た句が度々登場しています。

ちょっと大袈裟に言うと、「どんな試練も“句材”になる」というわけです。

人生の中で、つらい出来事に出会ったときには、せっかくこんなにつらい経験をしたのだから、何句か作っておかなければ、と考えるんだそうですよ(゚ー゚*)。oO

「もう二度と同じ経験はしたくない。だったらいま俳句を作ろうと、自分と切り離したところでその出来事を見て、俳句の材料としてとらえることができる。」・・ということで、私も「なるほどねぇ」と思いました。

俳句の材料として、とらえることができた、だから乗り越えられた・・と、夏井先生。

私、浅はかながら考えました。
最近いろいろな事件が頻発していますが、もし事件を起こした人達が俳句というものに出会っていたら、もっと別の方向性があったかもしれないと。

などと思いつつ読了。

今回もいろいろと勉強になりながらも、楽しく読めました。

 

2022/01/03

音楽は栄養ドリンク剤か、もっと強めの“クスリ”の一種みたいになってきた。

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暮れの紅白は、もう基本的に見なくなりました。
ただ、自分が聞いてみたい人が何人か出ていたりもするので、その人の時だけちょっと見たりします。

でも、お茶やお菓子をとりに皆がいる部屋に入るとチラチラとその時に歌っている人たちが目に入ります。

ものすごい勢いで叫んで、日本語なのに耳で聞いただけでは何を歌っているのかわからない音が鳴っている・・という感じの人が目に入りました。何人かいたみたい。
なにか画像も文字などがチカチカしていて、見ていると倒れてしまいそうに感じました。

過去に音楽が音楽として持っていた役目は、ほぼ終わったか、変化して別の役目になったのかもしれません。

クスリの一種か、刺激を与え、その瞬間を乗り切るための一時的な薬物的なものになったんじゃないかとも思いました。
SNSが発達し、人と人の関係は濃厚になったのかと思いきや、どんどん稀薄になるという裏腹な人間関係に苦しむ中で、刺激物・劇薬が必要なのか・・と私は思いました。・・念のため“私は”ですよ。

私が生まれる以前の「ヒロポン」みたいなものかもしれないと思いました。
当時は、経済成長に伴い、仕事の渦に巻き込まれ、自己を見失いかけた人達が使っていたのかもしれませんが、今は人間関係の地獄、苦痛から免れるためには、あの音による“ヤク”が必要なのかもしれません。

最初は“軽い”もので、ちょっと愉快で楽しめたのかもしれないけど、あの音楽を聞いていると、唐辛子を直接入れ物から口中に振って刺激を得ているように感じました。
聞いている人は感じていないかもしれないけど、ちょっと末期的にも感じました。

そんなことはないよ、と言われると思いますが、そうだといいなとは思いますが、・・・ちがうかもしれないですよ。

新年らしからぬ文でしたが、年末にそう感じたので書いてみました。

 

2022/01/02

「正しい恨みの晴らし方 -科学で読み解くネガティブ感情-」という(^^;)本を読みました。

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『正しい恨みの晴らし方 -科学で読み解くネガティブ感情-/中野信子・澤田匡人著(ポプラ新書)』という本を読みました。新年から“なんつう”本読んどるんじゃ!という声が聞こえそうですが、暮れから読んでました…σ(^_^;)

“すんごい”タイトルです。年末、ブックオフに行ったときに発見!
この本の存在も知らなかったし、特に読みたいと思うようなものでもなかったのですが・・でも気になった(^_^;)
何度もその棚の前を行ったり来たりしながら、結局買っちゃいました(^^;)
要するに心の奥底では非常に興味があったということです。

中野信子さん(脳科学者)と、澤田匡人さん(心理学者)が交互にそれぞれ“脳科学の視点”から、と“心理学の視点”から表題のテーマに取り組んでいる構成でした。

とても深い考察で、ここで詳しく書くことなどはできませんが、私が感じたことのひとつは、羨み(うらやみ)→ 妬み(ねたみ)→ 恨み(うらみ) というルートが存在していて、多くの人がそれを持っているんじゃないか、ということです。

去年米国で話題になりましたが、インスタグラムが非常に若者に悪い影響を与えるものなのに、フェイスブック社はそれを知りつつ見過ごすようなことをした、っていう事案がありました。

簡単に言うと、インスタで“いわゆる”「リア充」的な写真を見ていて、自分を卑下して精神的苦痛の深みにはまってしまうことがある・・という話でした。

こういうことから羨みがはじまり、妬みに変り、やがて恨みに発展してしまう、というのがひとつのパターンじゃないかということです。
この本では、様々なケースを例に挙げていて、特に上記のことに限って書かれているわけではないんですよ。
話を少し簡単に書いてみたのです。

私が昨年、このブログで「過去にあった人、出来事」について“洗いざらい”書くという作業をしてみました。
これは単に“恨みつらみ”を晴らすというよりも、心の奥底にしまい込んでしまうよりも、一度事実を書き出してみたらどうだろう、と自分自身に問いかけてみたことから始めたものでした。
これは自分にとって“大きな効果”があったと、今にして思います。
心の霧が晴れました(*^_^*)
一度、“ひなた”に、心の中の『澱』を出して、日にさらして干してみる・・これは効果があると思いました。

それから、前述した「インスタのリア充写真」に羨みだとか、妬みを感じている人・・、私も「なんだこいつは」と思うこともありますよd( ̄  ̄)、でもねぇ、人間ってそんな“美味しいもの”ばかり食べて、“豪華なホテル”で休暇を楽しんだり、“素敵な洋服”を毎日着て、“美しい景色”の名所旧跡などを優雅に訪ね歩いているはずがないですよd(^_^o)

人は皆、毎日生きているだけで苦しみの中にいて、日々暮らしているだけでも大変なことだらけになっているのです。
恋人同士、夫婦についても、いかにも仲良さそうなインスタ写真が横溢していますが、あんた実態は・・わかりませんよぉ~っ・・(*^^*)

ということで、あんなの“うらやましがって”もしょうがないd(^_^o)
“オレはオレ”、“私は私”でお茶漬けでも食って、近所でも散歩してましょうや(゚ー゚*)。oO

ものすごく難しい問題を、“元も子もない”結論づけをして、新年第一回目のブログはおしまい(^-^)/☆


【Now Playing】 I've Just Seen A Face / The Beatles ( Rock )

 

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