柳田国男の「毎日の言葉」を読みました。
『毎日の言葉/柳田国男著(新潮文庫)』を読みました。
これもまたブックオフにて超安価購入です。
この本の“もともと”は古いですよ・・。昭和21年7月創元社から刊行されたものがそもそもとなっているのです。
でも、今読んでもわかりやすい書き方をされているので、それほど苦にはならずに読めました。
ちょっと驚いたのは、そんな戦後間もない頃に書かれたものなのに、若い女性を読者に予想して書いたものだと著者自ら冒頭で書かれていることでした。
その理由は、「男たちは気が立ってい居て、話をしてもじっくりと考えてくれそうに無いからだ」と言っていて、私は・・それは今でも変わらないな・・と思いました。
また、「国語の変遷の解説には最も聴く人の緻密な感受性を必要とするのだ」とも書かれていて、これまた私は・・今も昔も男にはそんな“緻密な感受性”などというものは“皆無”だ・・と思ったのでした。
ざっと周りを見渡してみても、国語に敏感な男など私の周囲では見たことがありません。
せいぜいアナウンサーなどの一部に見られるくらいか、あとは研究者くらいでしょうか。
国会議員などに至っては、国語の試験をしたら20点以下、みたいな人ばかりです。
この本では、「すみません」「もしもし」「いただきます」などの日常の基本的な言葉を取り上げて、その言葉の意味と使われ方の変遷を事例を引用しつつ解説しています。
ほとんど私の知らなかったことばかりでした。
ここで、それらを取り上げても、やたら長くなってしまいますので、少しばかり気になった言葉をご紹介します。
お店に行って、「買物言葉」のひとつとして、「くださいな」というのが示されていましたが、私が小さい頃は、「ちょうだいな」と、駄菓子屋さんなどのお店に入ると大きな声を出したものでした。
それが、茨城県北相馬郡・稲敷群(当時)では、「カーヨ」となっていたり、
千葉県東葛飾群では、「カアベ」となり、茨城県水戸地方では「カーベー」、同じ茨城の久慈群では「カインショ」と言っていたんだそうです。
さらに、群馬県の一部では「クレナンショ」(*^^*)、広島県三原地方では「ツカワサイ」、岩手県東・西磐井郡では「クンチャイ」だそうですよ。
こういうのって、この本が書かれた昭和20年頃からはどんどん減っているのだろうと思いますが、いろいろな地方でまったく異なる、変わった言葉があるんでしょうね。
たった今思い出しましたが、「ジャンケン・ポン」も、関西の従姉妹のところに遊びに行ったときに「インジャン・ホイ」と言われて驚いたことがあります。
私のいる千葉では、「チッ・ケッ・タッ」と言っていました。
日本で一番有名なのは、志村けんさんが作った「最初はグー・ジャンケン・ポイッ」でしょうかd(^_^o)
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